秋葉原日記 (ライブラリ)

中国最近溶接事情一端

 先週は上海に出張だった。
 北京エッセンウエルディングフェア2011上海に参加するためで、フェアは2日目も来場者の出足はますます好調で終始盛況だった。
 会場をつぶさに見て回ったが、展示パビリオンが増えていた。2年前の前回は、上海新国際博覧センターのE1からE7までの7ホールを使用していたが、今回はさらにN5ホール1館が加わっていた。
 上海新国際博覧センターは、東棟7ホール、西棟5ホールに北棟5ホールを増設工事中のようで、今回は完成したばかりの北棟1ホールを早速追加使用したもののようだった。
 なお、この展示会場は、増設工事中の北棟すべてが完成すると、総面積は17万平方メートルにもなるようで、これは日本最大である東京ビッグサイト8万平方メートルの2倍という広大なもので、上海モーターショーなど高まる展示会需要に対応しているということだ。また、北京エッセンフェア開催中も、西棟5ホールは工作機械関係の展示会が全館使用して開催されていた。
 会場を見て回ってまず率直に感じることはその規模の大きさ。東棟7館に北棟1館を足すと展示場面積は約8万平方メートルに達するもので、これは世界最大の溶接展示会であるドイツ・エッセンフェアの11万平方メートルに次ぐもの。いずれは本家を抜くことも会場のキャパシティと時間の問題ではないかと思われてくる。
 内容的には、もちろん技術レベルでは日本や欧米先進国に比べては10年あるいは20年の遅れなどと指摘されているが、地元メーカーの成長が著しいことも確か。
 10年前と言わずほんの数年前までは日本や欧米トップメーカーが牽引し、これを勃興したばかりの地元メーカーが必死で追いかけているという構図だった。
 もちろん現在も基本的にはその構図に大きな変化はないのだが、地元メーカーが着実に成長してきているのが見て取れる。
 それも若く起業された企業の多いのが中国の特徴だろう。
 例えば、カイアルダと華意隆(ホワイロン)という溶接機メーカー。
 この2社はこの10年ほど注目してみてきているのだが、毎年大きくなってきているし技術的発展も著しいものがある。
 展示面積だけならば、このフェアでもリンカーン、エサブ、ダイヘン、パナソニックなど日米欧トップメーカーに匹敵する規模となっていた。
 両社に共通するのは、いずれもこの10数年の間に若いエンジニアが起業した会社だということ。大企業の一部門として設立されたものではないというのが特徴。
 当初から意欲的な技術開発が目立っていたが、それがすっかりここにきて実力もついてきたという印象。
 溶接電源ではインバータ化からフルデジタル化へとすすみ、カイアルダは安川と提携したというが溶接ロボットでも自社ブランド品を出品していたし、華意隆は1台の溶接機で9種の溶接が可能で、100種のモデルデータがインプットされているということだった。
 若いエンジニアの起業による会社だけに社員の構成も若いようで、両社ともに応対してくれた役員たちはいずれも20代からせいぜい30代と思われた。
 また、両社ともに売り上げの伸び率は驚異的で、いずれも今年も数10%アップを見込んでいるようだったし、カイアルダは来年は上場できるだろうと自信をみなぎらせていた。
 来場者の新しい技術、新しい製品、新しい取引を探す意欲は強いようで、8館に渡っている展示場すべてに来場者の波はひたひたと押し寄せているようだったし、成長著しい中国溶接事情の一端をかいま見たような印象だった。

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(新しい技術を見つめる真剣なまなざし)

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