秋葉原日記 (ライブラリ)

フェルメール『地理学者』

 昨日まで渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開かれていた「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」を会期末ギリギリに駆け込んで見た。
 目当てはフェルメールの『地理学者』で、フェルメール好きの自分としてはこれは初めて見るものだけにこのチャンスは欠かせなかった。
 オランダ17世紀の画家フェルメールには30数点の作品があるといわれ(きちんと特定できないところがいかにもフェルメールらしい)、それが世界中の美術館に分散されている。日本には残念がら1枚もない。
 だから、来日した折や、海外旅行などで各地の美術館を訪ねてはコツコツも見て回っている。
 さて、その『地理学者』である。男がコンパスを持ち、テーブルの上には地図とおぼしきものが広げられている。男が地図から顔を上げ目線を遠くに思いやったその一瞬を捉えている。作中には地球儀や壁にかけた地図などが背景となっていて、画面左の窓から光がさしている。
 いかにもフェルメールらしく光と影が絶妙であり緻密である。寓意性も高く、世界に乗り出して行ったオランダの繁栄がうかがえるようだ。
 どこまでも計算づくの絵だから、見る当方としてもじっくりと取り組まなくてはならない。このあたりは第一印象に任せてよい印象派などとはおのずと違うところで、絵画を読み解く面白さがある。とはいっても、中世ヨーロッパの宗教絵画とは違うからまるでちんぷんかんぷんということもない。
 そういうところもあってあるいはフェルメールが日本人にも好まれるのかもしれない。
 この『地理学者』をもって自分が見たフェルメール作品は26点となったはずで、残りは約8点となった。

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(フェルメール『地理学者』=会場で販売されていた絵ハガキから引用)
  

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