秋葉原日記 (ライブラリ)

全線開業の九州新幹線

 昨日まで今年のゴールデンウィーク前半は九州に旅行だった。九州新幹線に乗るのが目的。
 実は、3月12日に全線開業した九州新幹線については、開業初日に乗ることで計画し切符の手配やらすべて整えていた。それが前日3.11大地震があって旅行不可能となっていた。その後も、旅行に行くような気分にはなれず、やっとこのたび重い腰を上げたような次第だった。
 さて、4月29日JR九州博多駅。九州新幹線開業にあわせて博多駅も新しい駅ビルが「JR博多シティ」としてオープンしており、連休初日ということもあってこの日も大変なにぎわいだった。
 博多駅の新幹線ホームは11番線から16番線までの3面6線。ちょっと早めにホームにあがったのだが目的の13時14分発さくら437号は16番線にすでに入線していた。博多始発の鹿児島中央行きの6両編成。車両は九州新幹線専用に開発された800系。白いボディがまぶしいくらい美しい。
 九州新幹線にはいくつかの運転パターンがあって、九州新幹線内だけを各駅停車で走るこだまタイプのつばめ号。山陽新幹線からの乗り入れもあるひかりタイプのさくら号。速達性の高いのぞみタイプの新大阪発で山陽から九州へと直通する鹿児島中央行きのみずほ号。
 使用車両は、九州内だけのつばめ号とさくら号が800系。山陽から直通するさくら号とみずほ号は新型のN700系で、山陽・九州直通用車両として開発されたもの。800系にはすでに2度乗ったことがあり、本当は新型N700系に乗りたかったのだが、都合のよい列車がなかった。
 列車に乗り込むと、座席は普通車なのに2列+2列の配置。これは新型N700系、800系共通のようで、2列+3列となっている他の新幹線車両に比べゆったりしている。背もたれや肘掛けがウッディ調だし、シートはふかふかしているからまるでグリーン車並みだ。いったいにJR九州は車両設計が秀逸で、列車運行もきめ細かくて、鉄道旅行が楽しくなるような仕組みがいっぱいだ。
 列車は定刻を4分遅れて発車した。連絡列車の遅れによるものらしい。
 発車してまもなく博多南の操車場が見えるはずだが、高架線の壁に遮られて座席からは見えなかった。
 アパート群が連なる福岡の市街地を出るとすぐに長いトンネルに入った。
 そしてそのトンネルを出るとほどなくして最初の停車駅新鳥栖13時30分。
 車窓左右には田園地帯が広がる。筑紫平野である。
 途中、13時38分頃、筑紫船小屋を通過したが、ここはいわゆる政治家がごねてつくらせた駅との評判。駅周辺には家もまばらでさもありなんとも思われた。
 熊本13時53分。ここで乗客の半数が下車した。博多を出たときでさえ空いていたのにがらがらになった。これは自由席のことで、指定席は満席に近かったらしいが。新幹線開業でどのように変化したのか熊本駅には降り立ってみたいとも思ったのだがそのまま乗っていた。
 熊本平野を南下して新八代14時02分。博多からここまでが新線開業部分。
 この先は既存開業部分ですでに2度乗っているから新鮮さはなくなる。
 それにしてもよくよくトンネルの多い路線で、しかも車窓から見る風景に変化が少ないから乗って楽しいという路線ではない。九州の西側を走っているのに海が見えたのも新水俣‐出水間でわずかのことだけでだった。
 鹿児島中央14時59分着。結局、博多を出たときの遅れを取り戻せなかった。
 鹿児島中央駅では歓迎のイベントが行われていてまるでお祭りの様子。
 この日は、大地震で一部不通となっていた東北新幹線も全面復旧し、折しも新青森から鹿児島中央まで新幹線網で日本列島が1本に繋がった記念すべき日でもある。
 九州新幹線としては開業ニュースが大地震に隠れてしまっていたし、その後も派手な宣伝はしにくい状況となっていたから、この日は待ちに待った日なのであろう。
 九州新幹線全線開業で博多‐鹿児島中央間は最速1時間19分で結ばれるようになったし、新大阪あるいは新下関発鹿児島中央行きなどという運転パターンもあって、大阪や北九州から鹿児島へ直行できるようになって何かと便利になった。新しい九州の鉄道の幕開けといえよう。
 もっとも、地元鹿児島では「博多からの客が日帰りになってしまった」とこれは居酒屋の話だし、タクシーの運転手も「乗車率は30%台らしいからどれほどの観光客が来てくれるものやら」などという声も聞かれたのだった。

kyushushinkansen.jpg
(博多駅16番線で発車を待つさくら437号)

 

バックナンバーへ

お勧めの書籍