秋葉原日記 (ライブラリ)

都響プロムナードコンサート

 一昨日日曜日25日は、サントリーホールで東京都交響楽団のプロムナードコンサートを楽しんだ。
 演目は、演奏順にシベリウス・交響詩「タピオラ」、コルンゴルド・ヴァイオリン協奏曲ニ長調、シベリウス交響曲第5番変ホ長調、シベリウス交響詩「フィンランディア」の4曲で、指揮ハンヌ・リントゥ、ヴァイオリン豊嶋泰嗣だった。
 シベリウスの作品3つにコルンゴルド作品1つが挟まれた格好だが、いずれも叙情性の高い作品ばかりで指揮者の好みが表れたのだろうと思われた。シベリウスはもとよりフィンランドの出身であり、指揮者リントゥも同様フィンランドの出身のようだ。
 演奏された作品の中ではやはり「フィンランディア」が印象深かった。シベリウスはたくさんの交響詩を書いていて、最晩年に作曲した「タピオラ」が完成度も高く最高傑作といわれるが、好みでいうと断然「フィンランディア」が良かった。
 前半部分、豊かな情景が広がる、中間部分では民族性を感じさせる主旋律が静かに繰り返される。そして後半部分で歓喜が訪れ一気にフィンランド賛歌となる。
 シベリウス及び「フィンランディア」には名前を知っている程度以上にはほとんど予備知識はないのだけれども、曲想がはっきりしていたしこう感じさせるほどのプロパガンダ性もある内容だった。
 フィンランドといえば長らく帝政ロシアの圧政に苦しめられてきた歴史があり、シベリウスにはそれをはね返そうという強い気概があったのだろう。
 弦楽器の叙情性と管楽器の力強さはメリハリがきいていて面白く、リントゥの指揮がシベリウスの作品を一層豊かなものとしていたように思われた。
 コルンゴルドのコンチェルトも面白かった。コルンゴルドについては作品はおろかその名前すら耳にするのは初めてのことだったが、草原を思わせる叙情性の高い美しい旋律がゆったりと広がって、まるで草いきれまで感じさせる豊かさで、映画音楽を聴いているような印象だった。豊嶋のヴァイオリンも良かった。
 なお、この日の演奏会では、冒頭、指揮者の提案により東日本大震災の被災者への鎮魂に向けてバッハのアリアが演奏され黙祷を捧げた。

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(演奏会場の模様=休憩中の会場内=演奏中は撮影禁止となっている)

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