秋葉原日記 (ライブラリ)

ボストン美術館浮世絵名品展

 ボストン美術館の収蔵品の展覧会。先週まで山種美術館で開催されていた。
 ボストン美術館の浮世絵のコレクションは5万点にも上るということだが、そのうち今回は錦絵の黄金期にあたる鳥居清長、喜多川歌麿、東洲齋写楽の3人の作品を中心に約150点が展示されていた。
 3人の作品を続けて見ていくと、清長には役者や芸者を描いたものが多く、天明から寛政にかけた18世紀末頃の江戸の風俗がわかって面白かった。
 色鮮やかなのはやはり歌麿で、細やかな筆遣いといい美しさが際だっていた。とくに「歌撰恋之部稀二逢う恋」は品もあって娘の恥じらう恋心が伝わってくるような見事さだった。
 全般に表情が豊かになる大首絵が好きなのだが、それで際だつのは写楽だろう。「中山富三郎の宮城野」や「市川男女蔵の奴一平」は特に印象的で、写楽作品の中でも秀作と思われた。これに対して大首絵以外のものでは写楽作品はつまらなかった。
 なお、ボストンコレクションによる浮世絵展覧会は3年前にも江戸東京博物館でも開かれていて、あの時は師宣から春信、歌麿、写楽などへと初期浮世絵から江戸後期へと編年体風に展示されていて、浮世絵の移り変わりが体現できるようになっていてわかりやすかったが、今回の展覧会では3人の作者の作品が中心となっていたからどうしても印象が似たようなものとなり、150点も一気に見ていくと最後にはいささか食傷気味となってしまった。

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(喜多川歌麿「歌撰恋之部稀二逢う恋」=会場で販売されていた絵はがきから引用)

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