秋葉原日記 (ライブラリ)

色鮮やか

 陽春である。散歩にはとてもいい季節となってきた。早足で歩いているとうっすらと汗ばむほど。
 春爛漫といったところで、桜はすでに散ったが、様々な花が咲き出して散歩を楽しくさせてくれている。
 目を上げればシモクレンやコブシ、腰の高さにはハナズオウやヒューガミズキ、足下にはスイセンやチューリップがそれぞれ咲き誇っている。ほかにもたくさんの花を見つけることができるのだが、残念ながら名前のわからないものも少なくない。
 いつも通る道すがらに見事な花を色鮮やかに咲かせているお宅がある。
 このお宅のキクモモは実にすばらしい。大きな枝振りに桃色の花を一杯に付けている。花弁の形がキクに似ているところからこの名前が付いたらしいが、樹影といい色具合といい何とも見事で、まれに見る麗姿だ。
 源平モモも紅白がくっきりとして鮮やか。紅の淡さと純白さの組み合わせが高貴さをうかがわせる。1本の木に紅白の花を一緒に咲かせるのでこの名が付いたようだが、なかなか豪華でもある。
 黄色と赤茶色が微妙な味わいを見せている春モミジも面白い彩り。
 これにベニカナメモチの生け垣があって、このお宅はまるで花御殿のようだ。
 こちらのおばあさんと門前であいさつをしたら、「枝が道に張り出してしまって(通行人のじゃまになるから)切らなきゃいけないかしらね」とおっしゃるから、これほど見事な花だもの、みんなが楽しんでいるのだし、是非切らないでほしいとお願いをしたのだった。

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