大震災の影響で、様々な場面でキャンセルに出くわしている。
諸会合のキャンセルの通知がまず相次いでいる。各種会議の延期があり、中には大型会議の中止という連絡もあった。
東京で定期的に開催している会議でも、東北方面からの出席者からは「出席」が「欠席」に変更になっているし、夜の会議などは終わりをあまり遅くならないように配慮している。これは首都圏の鉄道事情を考慮したものだ。
また、宴会やパーティーなども開催自体を自粛したり、開催しても内容を大幅に変更したりする例が増えている。
旅行も東北方面に向かうものは東北新幹線の復旧など見通しが立たないところから随分と先まで中止となっていて、旅館やホテルのキャンセルも相次いでいるようだ。
出張も被災地方面とは直接関わりのないものであっても不要不急のものは原則自粛するところが多いようだ。
こうしたことへの対応は日本は素早くて、それも一斉に同じ方向に動く。
何もそこまでしなくともと思う場合も少なくないし、逆に被災地を元気づけるためにも決行した方がよいような行事もある。
どうも日本という国は自主的な判断に弱くて、いきおい横並びということになるようだ。それで国中がシュリンクしてていいものかどうか。
もっとも、飽きやすいのも日本人で、いつしか災害のことなど忘れてしまうという傾向がある。これもほぼ同時期に同じ方向に動き出す。
ところで、自分は地震発生の翌日12日は九州へ旅行の計画だった。
この日開業の九州新幹線に初日にいち早く乗車するのが目的で、このために九州新幹線の切符はもとより、羽田‐福岡間の航空券、鹿児島のホテル、その足で枕崎まで行く計画だったので枕崎でのレンタカー等々と手配済みだった。
しかし、首都圏の交通は大混乱だし、こうした大災害のさなかにのんびりと旅行などということ自体がはばかられたので、旅行一切を中止した。
そこで、12日に駅の窓口で切符を払い戻したほか、関係する各所へキャンセルの連絡を入れた。
JRでは、時刻上はすでに発車済みの切符だったのだが、キャンセル料も一切の手数料も取らずに快く全額払い戻してくれた。
これに対し日本航空は、羽田‐福岡間往復チケットのキャンセルについて3千円のキャンセル料を取られた。しかも出発前の連絡だったのにである。
機械的にやっているからこういうことになったのだろうが、これには憮然とした。猛烈に腹が立ってきて「こんな大地震で混乱している状況下、特別の計らいがあってしかるべきではないのか。だからJALはつぶれるのだ」などと辺り構わずつい悪態をついてしまったのだった。
一方、ホテルやレンタカー会社は快くキャンセルをさせてくれたばかりか、お見舞いの言葉まで述べてくれた。
こうして4者4様の対応を見ていると、なるほど、日本航空はつぶれるべくしてつぶれたのだなと、妙に納得したのだったし、情けなくなってしまった。
なお、日本航空もその後一定期間内のチケットについてはキャンセル料を徴収しないことにしたらしい。
(九州新幹線開業初日の切符)
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)