秋葉原日記 (ライブラリ)

芥川賞全集

 芥川賞はよく読んでいる。
 わが国で最も親しまれている文学賞であろうし、話題にもなるし、時代を反映しているようでもあるし、心がけて読んでいる。
 1964年の柴田翔『されどわれらが日々』あたりからはほぼ毎回欠かさず受賞作を読んでいるのではないか。
 1969年清岡卓行『アカシアの大連』、1987年池澤夏樹『スティルライフ』などは今に至るも印象深い。
 芥川賞は新人の登竜門で、しかも短編に与えられる賞だから、単行本となって受賞することはまれで、大概は『新潮』とか『文学界』とか文学雑誌に発表された段階で受賞となっている。
 それで、ここ数十年来のことだと思うが、受賞作品は受賞作決定直近発売の『文藝春秋』に全文が再掲載される習わしとなっている。
 だから、自分も芥川賞はこの再掲載誌で読むことが多かった。もちろん評判が高くて単行本となって購入したことも少なくはないのだが。
 調べてみたら、自分はこの芥川賞が掲載されている『文藝春秋』を1985年3月号(1984年度下期受賞作木崎さと子『青桐』掲載誌)以降分をほぼ保存している。40数冊にはなろうか。
 なお、『文藝春秋』再掲載で面白いのは、受賞作品のみならず、候補作を含めた選考経過と、選考委員の選評も掲載されていること。
 木崎さと子『青桐』の折りには、遠藤周作、開高健、中村光夫、丹羽文雄、丸谷才一、三浦哲郎、安岡章太郎、吉行淳之介が選考委員として名を連ねている。今にしてみるとそうそうたるメンバーであり、そのぶん権威も高まったのであろう。
 保存に際しては、雑誌全体をそのままではなく、芥川賞部分のみを切り離し、あらためて表紙を付け替えてのり付けをするなど簡単に製本をしなおしている。
 こうするとがさばらなくて保存が容易だし、通勤途上読むなどする上でも持ち運びがしやすい。
 あらためてバックナンバーを引っ張り出してみたら、これはもう立派な芥川賞全集ではないか、そう思えたのだった。

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