東京国立博物館で開催中の「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」展を見た。
2009年12月に死んだ平山郁夫は、生涯を通じてシルクロードに憧憬があり、自身幾度となく足を運んで画業の中心としてきたほか、散逸の危機にあった各地の文化財の保護に献身的に取り組んできていて、本展ではこうした平山の業績が一覧できる内容となっていた。
圧巻は、『大唐西域壁画』であろう。薬師寺の玄奘三蔵院の壁画として描かれたもので、門外不出といわれたこの作品が東京で見られたのは幸運だった。
全長37メートル、7場面13面の壁画すべてが展示されていたが、壁画は長安を発して西へと玄奘三蔵がたどった道と同じように展開されていた。
一方、平山は世界各地へ150回以上約400都市へおもむいて写生を重ねてきていて、その足跡が自身の作品と、各地で収集してきた文化財ととともに展示されていた。
このうちでは「アンコールワットの月」がよかった。空の青の美しさと、満月に映し出される遺跡には静謐さが感じられた。
全般に、平山の作品は、自身の被爆体験に基づくものだろうが、高い精神性が特徴だ。
ただ、作品は茫洋としたものが多く、絵画としては好みは別れるだろうし、評価も同様だろう。
(平山郁夫「アンコールワットの月」=会場で販売されていた絵はがきから引用)
A5判
314頁
ISBN:978-4-88318-560-3
価格:2,640円(本体価格:2,400円)
A4
138
ISBN978-4-88318-063-9
価格:2,200円(本体価格:2,000円)
溶接学会 溶接法研究委員会
B5判
258頁
ISBN:978-4-88318-060-8
価格:13,200円(本体価格:12,000円)