秋葉原日記 (ライブラリ)

津軽海峡線で函館へ

 先週末は函館に旅行した。
 北海道へは青森から鉄道で津軽海峡を渡った。
 10日新青森13時03分発函館行特急スーパー白鳥19号。
 この列車には東京を8時56分に出た東北新幹線はやて219号が接続している。自分は別に所用があって接続列車は利用しなかったが、今や東京から1回の乗り換えで函館へ行けることとなった。総距離878.0キロ、所要時間6時間14分(乗車時間5時間44分)である。
 スーパー白鳥19号は6両編成。うち2両が自由席となっている。指定席は満席で、指定券を持たない自分は自由席に並んだが幸い座席を確保することができた。ちなみに指定席は接続客や団体客で占められていたようだ。東北新幹線の全線開業で鉄道で北海道へ渡る人が増えたのだろう。
 新青森を出ると7分で青森。青森では進行方向が変わるが、新青森を出る際にあらかじめ座席は進行方向に合わせられていた。青森から乗った客はさほど多くはなかった。新幹線接続組のみならず弘前方面からの乗客も新青森で乗り継ぎとなるからだろう。なお、新青森‐青森間は奥羽本線である。
 青森を出ていよいよ一路函館を目指す。窓外は吹雪である。吹雪の中一人汽車に乗ってぽつねんと窓外に目をやっていると北国への旅情が増す。今年は青森も雪が多いようで、屋根に積もった雪が50センチほどにもなっている。
 途中、蟹田で乗務員がJR東日本からJR北海道へと交代した。この蟹田の次の中小国までが津軽線で、この先からが津軽海峡線となる。
 すぐにトンネルに入ったが、早とちりしてしまうがこれは太平トンネルで、もう一つ津軽トンネルを経て13時58分青函トンネルに入った。全長53.85キロは世界最長のトンネルである。最深部が海面下240メートルなどと車内アナウンスがあった。
 トンネルに入ったら、はっきりと体で感じられるほどの下り勾配となった。もっとも、この日は座席に座っていたからさほどでもなかったが、以前に寝台車で寝ながら通った時にはもっと急勾配に感じたものだった。
 途中、竜飛海底駅で運転停車した。14時07分。ここからが海底部分である。そして14時17分吉岡海底駅を通過した。ここまでが海底部分で、14時25分トンネルを出た。
 所要27分の青函トンネルで津軽海峡を抜けたことになる。
 北海道側も雪が舞っていた。ただ、青森ほどではない。心なしか雪の白さが増したように感じられる。もっとも、これは長いことトンネルを走っていたからで、トンネルを出たばかりのまばゆさに目がなれなかったためであろう。
 隣の席は3歳くらいの男の子を連れた母子連れ。プラスチック製の鉄道模型で遊んでいる。もう鉄道ファンなのだろうか。大変頼もしい。
 そのうちあきてきて落ち着かなくなった。カバンに入っていたキャンディをあげたら「ありがとう」と礼を言い、口に入れる前には「いただきます」とことわった。礼儀正しく、目がくりくりしほっぺたがぷっくりとしたかわいい子だった。
 北海道に渡って最初の停車駅木古内を経て函館到着が15時13分。定刻より3分の遅れだった。
 函館へは一つ手前の五稜郭から長いアプローチを入っていく。いかにも長い旅路の末終着駅にたどりついたという風情で、これは青森と同じ。すべて頭端式のホームで、進行方向をそのままに通過することはできない。これも青森同様。連絡船時代の名残だろう。
 ただ、到着客を迎える長い尾を引くあの独特の節回しの構内アナウンスが消えてしまった。これはこの頃ではどの駅も同じで、録音されたテープが機械式に流されているだけで、旅情が弱まったように感じられる。そういえば、かつては長いホームには洗面台もあったのだが、この頃はそれも見かけることがなくなった。
 到着ホームは6番線で、反対側5番線には15時18分発札幌行の特急スーパー北斗13号が乗り継ぎ客を待っていた。スーパー白鳥が遅れたので接続時間が短くなり、駅のアナウンスがせかせていた。
 来る車中隣のボックス席だった孫を連れたとおぼしき老夫婦連れが、東京から乗り継いでこの先札幌まで行くと言っていたが、そうなると札幌到着は18時35分、東京から延々9時間39分の長旅ということになる。
 函館駅に降り立ったら雪はほぼ止んでいた。函館駅は6年ほど前に建て替えられた新しい駅舎で、駅周辺も整備されて、駅前にはホテルがずらり並んでいた。
 ただ、現在建設中の北海道新幹線は函館には入ってこない。函館から4つも先の七飯を新函館とする予定。2015年の函館開業の後は札幌まで延伸する計画で、そうなると青森同様進行方向を逆転しなければそのままでは通過できない行き止まりの構造が嫌われたのである。

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(函館駅ホーム。左がスーパー白鳥が到着した6番線、右はスーパー北斗の発車を待つ5番線)

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