秋葉原日記 (ライブラリ)

3人の日本一

 昨日は対談と座談会の二つをこなした。対談や座談会は商売柄よくやっていることだが、一日のうちにこの二つを行うというのはさすがに珍しい。
 対談は午前中に東京ビッグサイトの島田健一社長と行った。ある月刊誌の新年号用のものだった。
 座談会は午後に3人の溶接技術日本一を招いて小社発行の「溶接ニュース」でこれも新年号用に行った。
 対談は二人で丁々発止と進めればいいからこれは楽しい。とくに島田さんとは知らぬ仲でもないから話は大いに弾んだ。
 座談会の方は司会役でもあったから話の展開に気を遣った。ある出席者に偏らず全員にまんべんなく話してもらうのが肝要で、司会者と出席者との放射状のやりとりばかりではなく、出席者同士の話が出てくればより盛り上がる。
 ところで、座談会では3人の溶接技術日本一の方々に出席いただき「東芝にみる溶接技能向上への取り組み」と題し話し合いが進められた。
 溶接技術日本一とは、もちろん全国47都道府県の代表が競う全国溶接技術競技会の優勝者のことで、言わばわが国における溶接腕自慢の頂点。
 全国の職場あるいは各都道府県が名誉を賭けて行う熾烈な戦いで定評があり、一人の優勝者を出すことにしのぎを削っているのだが、それを同じ職場から3人も輩出したというのはすごいこと。
 その職場とは東芝京浜事業所機器製造部。3人とは田村雅信(38歳、1992年第38回大会優勝)、荒矢富成(35歳、2001年第47回大会優勝)、清水茂寿(30歳、2007年第53回大会優勝)の各氏。
 ここは発電プラントの製造部門で、溶接をキーテクノロジーとするところだけに、3人の話を聞いていて、脈々と受け継がれている東芝の溶接の伝統、頂点を極めたものだけが持つ含蓄が感じられておもしろかった。
 とくに、適正を見抜く指導者の眼力、後輩を引っ張る先輩の力が肝要なようで、清水さんなどは6年も悩んだ課題を先輩の一言で解決できたといい、適切なアドバイスが大きな意味を持つようだ。
 3人とも頂点を極めたとはいえ、いまだ技術の向上に怠りはないようだが、もっとも大事なことは「勉強心あるいは工夫の気持ちを持ち続けることだ」と異口同音に話していたのが印象的だった。

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(座談会の模様) 

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