秋葉原日記 (ライブラリ)

真鶴岬

 一昨日20日土曜日、昼頃、ふとしたことから思い立って「温泉に浸かりたいね」ということになり、何度か行って馴染みになっている熱海の旅館に電話して問い合わせたら空いているというので、そのままたいした準備もしないまま車で出かけた。
 東京方面からは、東名高速道路から小田原厚木道路に入り、そのまま海岸沿いに走れば湯河原を経て熱海に着く。約100キロ、2時間の道のり。
 途中、真鶴岬が見えたので立ち寄った。
 有料道路から逸れて東海道線の真鶴駅前で左折し、漁港の方角とは別に坂道を登っていくと、ほぼ道なりで迷うこともなく岬に着く。
 ここで唐突に川上弘美の名作『真鶴』を想い出した。
 あの小説で主人公は岬まで駅前から歩いたのではなかったか。真鶴へは前の晩、思い立ってふらふらと来たのだった。小1時間、急な坂道を登ったとあった。岬まではバスもあるのだが、乗らなかったようだ。
 実際、岬には町営のレストハウスがあり、その営業時間中の間はバス便もあるようだ。
 レストハウスのあたりは潮騒は届いているものの林になっていて眺望が開けないが、その先、階段を下るとすぐに眼前に相模湾が飛び込んでくる。
 眼下には名勝三ツ石が点在している。石と石の間にしめ縄が張られている。ここは日の出で知られるところでもある。
 水平線の彼方には、左手から房総半島が伸びてきていて、右方には伊豆大島も遠望できる。熱海の前に浮かんでいるのは初島だ。
 真鶴は小さな半島だが、漁港があって魚の美味しいので知られているほか、温暖な景勝地でもあって、首都圏から訪れる人も少なくない。知っていれば、ここに宿をとるのもよかったのかも知れない。
 岬は鶴の形をしているのでその名がついたという。岬近くには真鶴にアトリエを構えここを好んで描いた中川一政美術館もあるのだが、かつて見ていたこともあり今回は寄らなかった。なお、この岬には灯台はない。
 ここから熱海はすぐ近くで、温泉でゆっくりお湯に浸かって翌日はまっすぐ帰った。

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