秋葉原日記 (ライブラリ)

シンガポールの溶接事情

 この「シンガポールの溶接事情」は、本来先週金曜日に書きたかったものだが、出張に持参していたノートパソコンの突然のトラブルで載せることができないでいたもの。遅ればせながら以下にシンガポールの溶接事情をレポートする。
 さて、シンガポールは、シンガポール島とその周辺63の島々からなる島嶼国家でもあるのだが、中心のシンガポール島は東西42キロ、南北23キロで、面積はちょうど日本の淡路島と同じくらい。ここに人口460万人が暮らしているから、世界で最も人口密度の高い国でもある。
 このシンガポール島の南側海岸を車で走っていると、海上にはおびただしい数の船が沖待ちしているのが見られる。とくに西側あたりではタンカーが多く、東側には貨物船やコンテナ船が多いようだ。
 また、目と鼻の先のジュロン島やセラヤ島などには無数のクレーンが林立しているのが望見できる。
 シンガポール経済を象徴するような風景だが、それもそのはず、シンガポールは東西貿易のハブ港として世界第1位の貨物取扱量を誇っているし、石油化学基地としても世界トップの位置にある。また、この立地を背景に造船や石油掘削プラントの製造でも世界の重要な部分を占めている。
 21日木曜日には、シンガポール島の西側にあるKWS(コウベ・ウエルディング・シンガポール)を訪ね、高山佳朗社長と中井康格マネージャーからシンガポールの溶接事情を伺った。
 それによると、シンガポールを初めマレーシア、インドネシアを含めた溶接需要は好調で、溶接材料の生産も順調だという。
 KWSは1979年の操業で、シンガポール唯一の溶接材料メーカーだが、ここで被覆アーク溶接棒の生産を行っている。その生産量は月産1500トンに達している。これは操業当初からに比べ3倍にもなるということだから順調に拡大されてきているようだ。しかし、能力拡大にもかかわらず生産が需要に追いつかない状態で、不足分はタイの工場などから1000トンも回してもらっているとのことだ。
 神戸製鋼は、先発のタイ工場やこのシンガポールのほかマレーシアなどにも生産拠点を持っているが、これらの生産量はトータルするとなんと1万トン近くにも達するというから名実ともにASEAN全体でも神鋼はトップメーカーの地歩を築いているわけで、そのシェアは70%にも及ぶという。
 こうして伺ってみるとシンガポールを拠点とするASEANの活況を象徴するような内容で、先行き不透明感の出てきた日本からみたらうらやましいような状況だ。

KWS.jpg
(KWSの様子)
 

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