秋葉原日記 (ライブラリ)

ジェイムズ・リーズナー『聞いていないとは言わせない』

 自分は120分だった。
 というのは、本書帯に「150分間一気読み!」との宣伝惹句が載っていて、おもしろさを強調していたからだ。
 この作家は初めてだったのだが、この宣伝文句にまんまと乗っかって手に取った。
 文庫本で290ページ。自分は本を読むスピードは速いほうだが、確かに一気読みできる程度にはおもしろかった。
 本書訳者あとがきに適当な要約が書いてあるのでそれを引用しよう。
 うだるように暑い夏のある日、ひとりの若い男がテキサスの片田舎の農場に仕事を求めてふらりとやってくる。農場の経営者は、ブロンドで、きれいな顔立ちをした、40前後の未亡人らしき女性。ほかには誰もいない。若い男は礼儀正しく、勤勉で、きつい畑仕事に愚痴一つこぼさない。尋ねてくる者とてめったにない陸の孤島のようなところで、いかなる運命の糸に操られてか、めぐりあい、おたがいに身を寄せ合うようにして暮らす男と女。この先どうなるかは容易に察しがつく。
 こう書くとまるでロマン小説だが、これは初めの数ページだけで、その後の展開はまさしくハードボイルドそのもので、容易に察しがつく内容ではなかった。
 銀行強盗、仲間割れ、殺し合いとあって導入部の印象とはがらり変わる。
 もっとも、一気読みはしたものの、おもしろいのは主人公の女性のキャラクターぐらいなもので、情緒もないし、登場人物に深みもないし、印象に残るハードオイルというほどのものではない。
(ハヤカワ文庫)

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