秋葉原日記 (ライブラリ)

「対決 巨匠たちの日本美術」

 東京国立博物館で開催中の展覧会「対決 巨匠たちの日本美術」を見た。
 なかなかおもしろい視点で企画された美術展だ。
 中世から近代まで一人ひとりがすでにわが国美術史上の巨匠たちだが、この巨匠たちをライバル、同時代などのくくりで組み合わせ、対照の妙を見いだそうというもの。
 それも仏像から絵画、陶芸などと幅広いジャンルに及んでいる。
 対決は、運慶VS快慶、永徳VS等伯、宗達VS光琳、仁清VS乾山、大雅VS蕪村、鉄斎VS大観など12組24人に及んでいて見応えがある。
 対比させることによって違いがはっきりしおもしろさが出たのは「円空VS木喰」もその一つ。両人とも全国を行脚しながらおびただしい仏像を彫り続けた遊行僧だが、ナタ彫りながらシンプルで安定感のある円空仏と、穏やかな笑顔に惹きつけられる木喰仏が揃って見られたことはよかった。
 浮世絵の「歌麿VS写楽」でも、歌麿の美人画「婦人相学十躰浮気之相」と写楽の大首絵「市川えび蔵の竹村定之進」を並べて見られたのも、浮世絵展ならばいざ知らずこの企画の妙。
 もっとも、対決の形だけで見る必要もなく、運慶の「地蔵菩薩座像」などりりしさ、すがすがしさを拝めただけでもありがたかったし、雪舟の「慧可断ひ図」や永徳の「檜図屏風」、宗達の「風神雷神図屏風」など国宝級の傑作が目の当たりにできたこともよかった。

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(左・光悦「黒楽茶碗銘時雨」と右・長治郎「黒楽茶碗銘俊寛」=展覧会場で販売されていた絵はがきから引用)
 

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