秋葉原日記 (ライブラリ)

『真珠の耳飾りの少女』

 昨日まで1週間ほどフランスとオランダを旅行してきた。
 この間の本欄「秋葉原日記」はあらかじめ書きおいたものを順次掲載してきた。日記の書きだめなどということは本来あろうはずもないことだろうが、今回はごく私的な旅行だったし、業務上の出張ならば内外を問わず必ず持参するはずのノートパソコンもあえて持って出なかった。
 この旅行ではパリとアムステルダムに滞在したが、主要な目的の一つは美術館巡り。
 パリでルーブル美術館、オルセー美術館、アムステルダムで国立美術館、ゴッホ美術館、ハーグでマウリッツハイス美術館などを見ることができた。
 中でも楽しみはフェルメール作品を見ることだったが、今度の旅行期間中で三つの美術館で8作品も見ることができ堪能できた。
 とくに、『真珠の耳飾りの少女』は一度は実物をこの目で見たいものだと念願していたものだっただけに、実際に目の当たりにしてその美しさに感動した。
 マウリッツハイス美術館には開館の45分も前に到着して待ちかまえていた。
 この日は日曜日だったから開館が普段よりは1時間遅い11時だったが、開場と同時に、あらかじめ調べておいた展示室に一直線に飛び込んだ。
 別名に「青いターバンの少女」と呼ばれるように、まず、フェルメールの青というのかラピスラズリで描いた青いターバンが目に入ってくる。ちょっと開き加減の濡れた唇。細部を見ればさっと一筆しか使っていないという真珠の描き方など驚くほどの技巧ぶりだ。
 それでも一番惹きつけられるのは少女の眼差しだろうか。語りかけているようでもあり、問いかけに答えているようでもあり、物語に誘い込んでくるようでもあり、ちょっと振り返ったその瞬間が絶妙だ。
 この少女にモデルはいないと言うことだが、フェルメールはどのような少女を念頭に置いていたのだろうか。
 印象を焼き付けようとしたのか、しばらくこの絵の前から立ち退くことができなかったが、この展示室にはこの絵と背中合わせに『デルフトの眺望』も展示されてあって、こちらもきっちりと緻密に描かれていて評判通りの名作だった。

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(『真珠の耳飾りの少女』=美術館で販売されていた絵はがきから引用)

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