秋葉原日記 (ライブラリ)

京町家

 昨日まで1泊で京都に出張してきた。
 京都への出張は、大阪などとは違ってさすがに年1、2度程度と数は少ない。
 京都を訪れた折には、時間を見つけては街の中をぶらぶら歩き回るのが楽しみだ。別に有名観光スポットを見るとか、必ず訪れる気に入った場所があるというのではないのだが、短い時間でもいいから京都の市井に身を置くことができるのがうれしい。歩いていて、思わぬところに古刹があったり、気の利いた食堂を見つけたりするのもおもしろい。
 このたびは、用事が都心のホテルだったから、東は河原町通から西は堀川通、下は四条通から上は丸太町通の範囲を歩き回った。
 とくに、今回はつい先日に読んだばかりのジェフリー・ムーサス著『「縁側」の思想』という本で京の町家というものに関心があったので、そういうものに注意しながら歩いたのだった。
 そうしたら、その気になって歩き回ったせいもあるのだろうが、これが1時間ばかりの間に随分とたくさん見つけることができた。古いものを大事にする京都ならのことではあるのだろう。
 京都で町家とは、職住一体型の住居形式のことで、「町家造り」と呼ばれる建築様式で建てられたもののようで、江戸中期頃から現在の形となったものらしい。
 いくつかの種類に分類できるようだが、外観は通りに面したところは格子になっていて、犬矢来などが置かれているというのが一般的か。
 間口はいずれも狭いが、これは昔の京都では、町費を間口の幅で決めたということから、いきおい狭いものとなったということらしい。
 中に入らしてくれる家があったので覗いてみたら、なるほど「鰻の寝床」と呼ばれるほどに狭い。通り庭とか走り庭とか呼ばれる土間が裏庭まで続いている。
 この間には、坪庭があったり、おくどさんと呼ばれるかまどがあったりして、また、畳敷きの部屋が手前から見世、玄関、台所、奥の間と並んでいる。
 結局、この狭く薄暗い空間にいかに明かりを取り込むか、夏暑く冬冷える季節をどうしのぐか、そういう工夫が凝らされたのが京都独特の町家ということらしい。

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(裏庭から玄関方向を見たところ)

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