秋葉原日記 (ライブラリ)

最近北京雑感

 13日から北京に滞在している。
 12日に発生した四川地震の直後だけに、震災の話題で持ちきりだ。
 CCTVでは連日ぶっ続けで地震の模様を報道しているのだが、このテレビ局のニュースは同じ内容の繰り返しで、時々刻々といった変化はまったく感じられない。被災状況もどこまで把握しているのか不明だし、全般に政府による「抗震救災」キャンペーンといった内容で、市民に公開されている情報は驚くほど少ない。
 市民の間では、チベット問題に続くこのたびの震災と重なり、いささかの不安といらだちが強いようだ。
 それはオリンピックに対しても同様のようで、物価は上がるばかりだし、オリンピックをあてにして行った投資は今ひとつだし、規制もますます厳しくなってきているし、政府が国威発揚にキャンペーンを展開しているほどには市民の間の盛り上がりは高くはないようだ。
 結局、多くの不満が募ってきているというのがこのごろの北京事情というところだ。
 北京市内では、あちこちで建設工事が真っ最中だが、開幕まであと100日となって果たして間に合うものなのかどうか不安に思えるような物件も多い。北京の人たちは例によって「没法子」(メイファーズ=どうしようもない、どうにかなるさ)といった面持ちだ。そういえば、3路線同時に行っていた地下鉄工事も結局1本は確実にオリンピックに間に合わなくなったらしい。
 北京一の繁華街王府井などすっかり再開発されてしまって、明るく近代的な通りに生まれ変わりつつあるが、柳の街路樹がうっそうと茂っていたかつてのしっとりとした街並みは消えてしまって、いささか風情がなくなってしまった。
 また、老北京(古きよき北京)の名残を色濃く残していた胡同(フートン=路地)や北京独特の住宅構成である四合院もすっかり消えてしまっているが、このごろでは行きすぎた開発に躊躇もみられてきていて、胡同や四合院の保存があちこちで進められるようになってきているようだった。
 そういえば、この季節は、北京では柳の花が町中をふわふわと飛んでいるものなのだが、それもこのごろでは少なくなってしまったようだ。これは柳の木自体が決定的に減ってきているもののようだった。

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(老北京の名残を伝える胡同) 

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