秋葉原日記 (ライブラリ)

美術館三昧

 このたびのゴールデンウィークは、熱海、箱根、葉山あたりを逍遙しながら美術館三昧だった。
 この間、熱海・MOA美術館、箱根・ポーラ美術館、成川美術館、葉山・神奈川県立近代美術館葉山館と巡った。
 このうち、MOA美術館は伊豆山の斜面に建てられていて、とても眺望のすばらしいところだった。ここには尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」があるのだが、この日はあいにくと公開されていなかった。ほかに日本画のコレクションが充実していた。陶芸では野々村仁清の国宝「色絵藤花文茶壺」が見られた。
 ポーラ美術館は、仙石原の林間にまるで自然にとけ込むようにあった。斜面を巧みに利用しながら陽光を取り込むガラス張りの建物はなかなかすばらしいもので、レストランやミュージアムショップも充実していて、贅沢な時間を過ごさせてくれた。
 コレクションは質、量ともに一流で、西洋絵画から日本の洋画に至るまで著名な作家のものは網羅されているようだった。
 実際、マネ、ドガ、セザンヌ、モネ、ルノワール、ルソー、ゴーガン、ゴッホ、ピカソ、黒田清輝、熊谷守一、梅原龍三郎、横山大観などと並んでいて、印象派を中心とする洋画史を一覧できるほどだった。
 この中では、ピカソの「海辺の母子像」が印象深く、静謐な中で自我を見つめ祈りを捧げる姿はピカソの青の時代の代表作に数えてもいいのではないかと思われた。
 成川美術館は、芦ノ湖畔にあって、湖から富士山まで一望できる景観が見事だった。ただ、コレクションに好きなものはなかった。
 神奈川県立近代美術館葉山館は御用邸に近い海岸沿いに5年前に開館した新しい美術館。
 この日は鎌倉館、鎌倉別館を含めた神奈川近美3館合同の一大コレクション展が行われていて、このうち葉山館では近現代の洋画を中心に展示されていた。
 とくに松本竣介については、「立てる像」「自画像」「R夫人像」はじめ下絵からデッサンまで20点以上も展示されていて、近美の持つ竣介に関する充実したコレクションぶりを見せていて竣介の世界を改めて堪能できた。
 この中では当然「立てる像」が代表作なのだが、自分にはいかにも竣介らしいナイーブさが伝わってくる「自画像」がいつ見ても好きだ。

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(林の中にたたずむポーラ美術館)
 

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