秋葉原日記 (ライブラリ)

溶接アート『矛盾』

 いくつもの話題のあったこのたびの2008国際ウエルディングショー。
 その一つが、コミュニケーションプラザで繰り広げられたチーム・スパッタアースのパフォーマンス。会期中の4日間をかけて溶接アートに取り組んだ。
 スパッタアースは、小宮賢人さんをリーダーとする、このパフォーマンスのために組まれた6人のアーティストからなるチーム。
 初日からずうっと制作の進行を見守っていたが、1日目は太径のステンレス棒鋼で大きなかごをつくっているように見えた。
 それが2日目と進むにつれて、そのかごを覆うようにステンレスの薄鋼板を何枚も貼り合わせるように溶接していている。溶接は、半自動溶接と手溶接の両方を駆使していて、溶接した板をたたいて丸みも出しているようだ。
 3日目になって大きな形が表れてきて、大きな顔のようにも見えたが、最終日の4日目仕上げにかかり昼頃ついに完成した。
 できあがった作品は、自分にはピカソの作品を連想させたが、小宮さんの解説を自分なりに解釈したら、やはり猿の顔と見られるベースに、目の位置に二つの人間の巨大な乳房をつけたように見ることができた。
 小宮さんは、「これは矛盾です」と語っていた。
 ところで、小宮さんは神奈川県鎌倉市で「Fe★Needs」(フェニーズ)と呼ばれる工房を主宰していて、日頃は溶接アートに取り組む傍ら、溶接による日曜大工の教室などを運営している。
 また、小宮さんは月刊『溶接技術』(産報出版刊)に連載講座を執筆したことがあったが、「ちちおや鉄工」と題するそのDIY講座は、普段は堅苦しい専門の論文ばかりの同誌にあって、溶接の楽しさをわかりやすく解説するものとして好評だった。

mujun.jpg
(チーム・スパッタアースの面々と作品『矛盾』)

バックナンバーへ

お勧めの書籍