秋葉原日記 (ライブラリ)

『広辞苑 第六版』

 『広辞苑第六版』が刊行されたというので発売初日の11日に早速買ってきた。
 広辞苑を座右において使うようになって何年になるだろうか。第三版が手元にあるからもう30年近くになるのだろう。その後も版を重ねるごとに購入しているから今回で4冊目ということになる。
 国語辞典は数種類をすぐ手の届くところにおいてその時々に使い回しているが、最後のよりどころとなると、広辞苑となることが多い。
 これは世間一般も同様で、新聞などでも「広辞苑によれば……」などと引用の論拠として使われる場合が少なくない。第一版の刊行から50余年、国民的辞書といわれるゆえんだろう。第五版からは10年ぶりの改訂ということになる。
 第六版を手にしておやっと思った。少し薄くなったように感じたのである。第五版と比べてみたら、やはり1センチほど薄くなっている。ただ、ページ数は60ページほど増えて3,074ページとなっている。これには用紙の改良など造本上の工夫もあったようだ。
 収録項目も1万語増えて24万となった。「いけ面」とか「さくっと」などという現代語から「ユビキタス」などというカタカナ語まで新しい言葉が多数収録されている。
 ちなみに、あきはばら[秋葉原]を引くと、「東京都千代田区と台東区にまたがる地区名。電気器具の問屋・小売店が集中」とあって、これは第五版と変わらない。ただ、第五版ではなかった、「あきば[秋葉]秋葉原の略。」が収録されていて、アキバと省略されて呼ばれる最近の秋葉原事情に対応しているのがわかる。
 ただ、収録項目を増やそうとしたあまり、第五版に比べ意味の解説や用例が随分と割愛されていることは残念だ。項目だけ増やしてもこれほど中身を削っちゃっていいものだろうか。
 それと、意味の表現に独自性が薄くて、相変わらず読んでおもしろいという辞書ではない。いわば、権威だけが版を重ねたといわれてもしようがないような改訂となってしまった。
(岩波書店刊)

koujien.jpg

  

バックナンバーへ

お勧めの書籍