2016/06/21

25年目のヒラメ

 大連では、夕食はわずか3回だけのこと。何ほどのこともないのだが、大連の食について印象的なことを書いておこう。
 大連では、日本から大連に進出している企業の方々と会食する機会があって、いかにも大連らしい地元料理を堪能できた。
 まず、第一にヒラメ(鮃)。大連でも高級魚だが、思う存分いただくことができた。日本なら刺身にしてもよいのだろうが、この店は海鮮中華料理店であり、煮付けで提供された。大きな皿に1匹丸ごと盛りつけられていて、長さはざっと45センチもあったか。その上、肉厚で食べ応えもあるし極上の旨味があった。
 実は、大連でヒラメについては面白い経験がある。25年前初めて大連を訪れた折のこと。やはり、ヒラメが食べたくて大きな中華料理店に入ったのだが、肝心のヒラメを中国語で何というのかわからない。もちろん平目ではない。中国のメニューは分厚く品目がやたら多い。しかも料理名は難しい漢字で組み合わされていてなおさらわかりにくい。それで、あうでもないこうでもないと服務員(中国では店員をこう呼ぶ)とやりとりしたのだが、うまくいかない。挙げ句の果てはヒラメの絵までも書いたのだが、それでも伝わらない。
 このやりとりを他の客も大きな関心を持って見守っている。また、生憎とこの日は他に日本人が一人もいなかったし、日本語のわかる人もいなかった。
 それで、見当をつけてともあれ注文を出したのだが、さて、その料理が運ばれてくると、店内の全員が固唾をのんでいる。全員の目が希望のものかと問いただしている。それで、ノーというと、室内に大きなため息が広がった。
 第二は餃子。これも大連名物である。提供されたのは、日本でいうところの蒸し餃子。大きな鉢にたくさんの蒸し餃子が盛りつけられている。餃子にはエビやニラなどが入っていたが、とても食べやすくて次々とほおばった。
 実は、この餃子についても深い思い出がある。やはりヒラメを食べたくだんの料理店でのこと。餃子はギャオズだから注文は簡単。
 それで、1皿のつもりで1個と注文したら、1個かと問い返す。なるほど、中国では餃子は1個単位なのだなと思い、5個くれといったら首を横に振っている。それで日本と同じように7個くれといったらもっと驚いている。
 何のことはない、大連で餃子は32個単位だったのである。それで、一人で1個は多すぎるわけで、結局、4分の1にしたのだった。
 この二つのエピソードを同席の方々に披露したら、皆さん大笑いしながらも大いにうなずいていた。
 酒は、白酒(パイチュウ)をいただいた。白酒にもグレードがあるようだが、いただいたものは高級なものだったようで、とても口当たりのよいものだった。ただ、度数が52度もあってとても強く、大連の白酒は強いことで知られているが、杯を重ねているうちに酔いが回ってきた。
 そう言えば、同席の方が「出会った酒の数だけ幸せになれる」と語っていた。


写真1 ヒラメの煮付け


写真2 蒸し餃子

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