2016/06/10

先斗町

 先日の京都出張では、先斗町で会食をする機会があった。
 先斗町は、京都に6つある花街の一つ。鴨川と木屋町通りに挟まれた狭い通りの両側にびっしりと料理屋が軒を連ねている。祇園ほどの規模はなさそうだが、石畳には水が打たれ極めて情緒がある。観光客にも人気の通りで、必ずしも会食目的ではない人々も大勢訪れて賑わっていた。
 この頃では大衆的な小料理屋や居酒屋なども数多く見受けられるが、今でも中心はあくまでも料亭。大半の店が一見さんお断りで、予約なしでは入れない。
 入った店は通りにのれんが掛かっていて、そこをくぐって少し石畳を渡ったところに玄関があった。奥の、つまり背中が鴨川で、川に面して、いわゆる河床がしつらえてあった。この日はまだ季節に早いせいもあって2階の座敷でいただいた。
 料理は一品ずつ運ばれてきた。会席料理の手順で、私には太刀魚の焼いたものがおいしかった。また、お酒は京都のもので、考えてみるまでもなく、京都は伏見などと酒蔵は数多い。いつでもぬる燗でいただくのだが、おいしくて飲み過ぎた。
 お座敷には、芸妓と舞妓が一人ずつ侍ってくれ、踊りを披露したり食事の世話などをしてくれた。
 舞妓さんは芸妓の見習い修行中のような位置づけ。「仕込み」と呼ばれる1年ほどの研修期間を経て、試験に受かってやっと舞妓となる。試験には踊りなどの科目があるらしい。
 この日侍ってくれた舞妓さんは15歳といい、舞妓となって1年だということだった。出身地を尋ねたら東京の江東区だというので驚いた。
 この舞妓さんによると、修行はなかなか厳しいらしく、様々な決まり事があるらしい。口紅一つとっても、1年目は下唇にしか塗ってはいけなく、2年を経てやっと上下に紅をさせるようになるらしい。
 もちろん振り袖にだらりととした長い帯が舞妓さんのトレードマークだが、かんざし(簪)も舞妓さんにとって大事。毎月飾りが変わるようで、5月は藤、6月は柳ということだった。なお、髪の毛は自分のもので、洗髪は一週間に一度くらいしかできないのだという。夏などは大変だろうと思われた。
 この舞妓さんはとても落ち着いていて、15歳とは思われなかった。東京出身とはいいながら、京言葉を巧みに操っていた。なお、舞妓さんは携帯電話を持つことは御法度なそうだ。
 一方、芸妓さんは舞妓さんとして三年ほど経てなるらしい。お姐さんと呼ばれていたが、さすがに落ち着いた色気が感じられた。髪はかつら(鬘)だということだった。


写真1 舞妓さんの姿。 

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