2016/04/19

ニッチな商品

 大盛況だったこのたびの国際ウエルディングショー。
 会場では、ロボットが動き、レーザが火花を散らし、いかにも世界最先端の溶接技術を結集した展示会らしい華やぎと興奮があったが、一方で、出展社は216社と大阪会場最大規模となっているなど、実に多種多様な展示が見られた。
 会場を一回りしてみて、ニッチといっては語弊があるかもしれないが、大きな分野を構成するものではないものの、珍しいもの、面白かったもの、興味深かったもの、そういうものをピックアップしてみた。
 特殊な材料ということでは、マグネシウム合金の溶接材料が出品されていた。ジャパンファインスチール(山口県山陽小野田市)が溶加棒とワイヤを出していた。溶接したサンプルも展示していたが、表面はアルミとそっくりだが、持ってみると驚くほど軽い。軽量化を促進する材料として航空機や自動車などで注目されているが、まだまだ値段が高い。担当者の話によると、溶加棒なら数本単位で購入されているのが実態だという。
作業の補助や重量の軽減ということでは、スマートスーツと名付けられたサポートウエアがパナソニックから出品されていた。見た目にはナイロン製のシャツだが、特殊素材の弾性力で上腕の自重を支えている重いものを長い時間持ち上げていても疲労が軽減されるようで、5キロのおもりを片腕で保持した場合、耐えられる時間はスーツなしで90秒であるのに対し、スマートスーツを着用していると180秒にもなると説明していた。アシストスーツということでは装置化されてものが多い中、これはシャツそのものというところに特徴があるようだった。参考出品。
 グラインダーは溶接作業の前後に必要な工具だが、この分野で面白いと思ったもの。ダイヤテック(愛知県岡崎市)が出品していた切削砥石で、火花がまったく飛び散っていなかった。ゴムを使用した独特の機構とダイヤモンド工具に特徴があるようだった。まったく知識の及ばない分野だが、火花が散らないから火災の発生を防げて安全作業に効果があると思われた。
 FSW関連の装置がいくつか見られたが、ウエキコーポレーション(東京都大田区)からはセラミックツールが出品されていた。FSWは異種金属の接合にも脚光を浴びているものだが、消耗しやすいツールがコスト面で難点となっていたものだが、窒化ケイ素を素材にして鉄など高融点金属にも最適だと謳っていた。
 その異種接合の具体例として、レーザのエンシュウからは1.5キロファイアーレーザで接合した金属+樹種のテストピースが多数の例で出品されていた。
 ガス切断については溶断分野においてまだまだ主流の地位を保っているが、近年まったく見かけなくなったのがガス溶接。このガス溶接のためのトーチが日酸TANAKAから出品されていた。実際に使われているものかどうかはわからないが、技術を伝承していくという意味でも貴重な出品だろう。


写真1 ジャパンファインスチールが出品していたマグネシウム合金の溶接材料。


写真2 パナソニックが出品したサポートスーツ。


写真3 ウエキコーポレーションが出品したFSW用セラミックツール。

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