2016/04/06

日本最北端の地宗谷岬に立つ!

 稚内では宗谷岬を訪ねた。
 地図で見ると、宗谷湾を挟んで2本の小さな角が対置しているようにも見え、左が稚内市街にあるノシャップ岬で、大きく突き出した右が宗谷岬である。
 この宗谷岬へは稚内市街から自動車で約40分。国道238号線で宗谷湾を左に見ながら大きく回り込むように進む。途中、丘の上に風力発電のための風車の林立しているのが見えた。
 2016年3月27日14時02分、3度目の宗谷岬到達である。最初は27年前の1989年2月27日で、前回は2009年10月13日8時52分だった。7年ぶりということになる。
 風が猛烈に強く寒い。岬は風の強いものだが、この日はことのほか強い。カメラを構えるとよろめくほどだ。体温がどんどんはがされていく。初めて訪れたときは真冬だったがこれほどだったという印象は残っていない。
 岬の突端、波打ち際に「日本最北端の地」の碑が建っていて、三角錐のかたちになっている。座標は北緯45度31分22秒、東経141度56分12秒である。
 この碑のあるあたりは国道に面し広い駐車場になっていて、マイカーが数台と時折観光バスが訪れていた。観光客の大半はここで記念撮影を行う。日本最北端の地に来たという感慨があるからであろう。最北端の食堂など様々な最北端があり、数多くの記念碑があり、土産物屋がある。ただ、寒いし観光客の大半は記念撮影が済むとそそくさと立ち去っていく。また、岬にしては鋭く突き出ているわけでも断崖絶壁でもなく、やや岬特有の情緒に欠けるからであろう。
 しかし、ここを見ただけで宗谷岬と思ってはいけないしあまりにももったいない。なぜなら、宗谷岬の魅力は背後にある丘の上にこそあるから。
 40メートルほどの台地に急な坂を登ると、眼下に宗谷海峡が広がっている。決して鋭い岬ではないのだが、それでも両腕を広げて余るほどだから遮るもののない240度もの景観か。風が強くて吹き飛ばされそうになる。事実、立っているのが辛くこわいくらいだ。
 丘の上は台状になっていて、背後に目をやるとなだらかな丘陵となっている。宗谷丘陵で、宗谷岬はこの丘陵が海に向けてストンと落ち込んだもののようだ。丘陵は雪に覆われているから定かではないが、一面クマザサの草原のようで、高い樹木は1本も見当たらない。
 丘陵の端に赤と白に塗られた灯台があった。宗谷岬灯台で、四角形のずんぐりした灯台だ。海峡を渡ってくる強風にも耐えられそうな安定感が感じられる。それでも灯塔の高さは17メートルもあるというから、太いので高く見えないのであろう。なお、北国や雪国では赤く塗られた灯台というのも珍しくはない。中には真っ黒な灯台というのもあるくらいで、真っ白では紛らわしいからこれらは雪の中で識別を容易にするという意味合いがある。灯台の位置で座標は北緯45度31分17秒、東経141度56分11秒とあるから、岬の突端に比べ緯度で5秒ほど南側にあるということになる。
晴れていればサハリン(樺太)が遠望できるはずだが、この日は雲がわいていてまったく見えなかった。なお、岬からサハリンまではわずか43キロの距離である。
 これははなはだ残念で、諦めきれない。このため翌28日わざわざ再度宗谷岬を訪れ、同じように丘の上から水平線に目をやったところ、サハリンがくっきりと見えた。山脈であろうか、真っ白に輝いており、島影は水平線上横に長く伸びている。宗谷海峡を眼下に、サハリンが遠望できるというのが宗谷岬の醍醐味であり、やはり日程に余裕を持っていたのが良かった。はなはだ物好きなことではあるが。


写真1 宗谷岬の突端に建つ「日本最北端の地」碑。左は間宮林蔵の像。冬でも観光客は訪れている。


写真2 宗谷丘陵の台地上にある宗谷岬灯台。赤と白に塗られ四角くずんぐりとしている。


写真3 宗谷丘陵から遠望したサハリン。灯台の向こう、水平線上に白く横たわっているのがかすかにわかる。

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