2016/03/17

聖母子像コレクション

 先日は、レオナルド・ダ・ビンチ『糸巻きの聖母』、ボッティチェリ『書物の聖母』と立て続けに見る機会があった。二つともに初めて見るもので堪能できた。
 キリスト教徒ではないし、聖書に格別の興味があるわけでもないが、欧米の美術館でルネサンス期の西欧絵画を見ていると、当然のことのように数多くの聖母子画に接することになる。聖母子像は聖書に書かれた寓意に疎くても慈愛に満ちたマリアの表情を見ているだけでも心安らぐ。
 私は、訪ねた美術館で気に入った作品があるとミュージアムショップでその絵はがきを購入することにしている。
 そういうことで、このたびその絵はがきコレクションをひっくり返してみたところ、聖母子を描いたものは10数点にも上った。また、気に入った作品ではあっても、必ずしも絵はがきになっているとは限らないから、見たということではもっと多くの数に上るだろう。
 圧倒的に多いのはラファエロ。「聖母子のラファエロ」と呼ばれるくらいだから当然だろうが、とにかくラファエロの聖母子像は慈愛に満ちていて美しい。
 ざっと拾い上げてみると、ミュンヘン・アルテピナコテークの『テンピの聖母』、フィレンツェ・ピッティ美術館だったと思うが『大公の聖母』、ロンドン・ナショナルギャラリーの『カーネーションの聖母』、ルーブルの『美しき女庭師』、『カウバーの大聖母』などとあって素晴らしい。サンクトペテルブルグ・エルミタージュ美術館にもあった。
 どれも素晴らしくて取捨選択に迷うが、強いて一つを選ぶとすれば『テンピの聖母』(1507年)か。イエスを抱いて頬ずりしているマリアの表情がいとおしい。
 レオナルドはこのたび日本で公開された『糸巻きの聖母』が代表作であろうが、ルーブルの『聖アンナと聖母子』も聖母子、アンナの三人が全員ほほえんでいるというのも珍しくはないか。
 さらに、これについては絵はがきが手元に見当たらなくデジタルデータしか残っていなくて作者、題名ともに未詳だし、シカゴ美術館で見たことくらいしか記憶がはっきりしないのだが、素晴らしいコレッジョの作品がある。洗礼者ヨハネと聖母子が描かれていて、題材そのものはよくあるもの。ルネサンス期の画家で、マリアの顔の輪郭が印象深いし、マリアの慈愛に満ちた微笑みが美しい。
 私の絵はがきコレクションはすでに数百枚にも達していて、私はこれらをデジタル化し、iPadに入れて日頃楽しんでいる。そうすると、ちょっとしたギャラリーとなっているのである。


写真1 ラファエロ『テンピの聖母』(美術館で販売されていた絵はがきから引用)


写真2 レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』(同)


写真3 コレッジョ?『?』(同)

お勧めの書籍