2016/03/08

被災地の鉄道

 復興の大動脈として期待される鉄道の復旧。
 岩手県沿岸部の鉄道は、北から三陸鉄道北リアス線久慈‐宮古間71.0キロ、JR山田線宮古‐釜石間55.4キロ(盛岡‐宮古間を除く)、三陸鉄道南リアス線釜石‐盛間36.6キロとある。これに加えてJR大船渡線のうち沿岸部を走る盛‐気仙沼間43.7キロ(気仙沼‐一ノ関間を除く)とあるが、復旧の道のりは各線各様。
 いずれも甚大な被害のあったところだが、三陸鉄道が南・北リアス線全線で復旧にこぎ着けたのに対し、JR各線は復旧に手間取り対応が分かれた。
 JR山田線については、JRと地元との話し合いで、JRが復旧させた上で三陸鉄道に譲渡するとの合意が成立し、最近になって工事が着工されて、本格的な復旧へと一歩踏み出した。
 山田線の被害は大きく、宮古駅に近い閉伊川鉄橋が崩落したほか、沿線の大半で線路が流出し、陸中山田、織笠、大槌、鵜住居では駅舎も流出した。
 閉伊川鉄橋の現場では、すでに線路の復旧工事に取りかかっていたし、橋梁も工事に着手されていた。また、全線に渡って路盤の点検や枕木、レールの交換などの作業が始まっていた。
 JRでは、平成28年度内にも復旧工事を完了し三陸鉄道に引き渡したい計画で、これが実現すると、岩手県沿岸部のうち、久慈から盛(大船渡市)に至るまで三陸鉄道で鉄路が一本につながることとなる。
 一方、大船渡線盛‐気仙沼間については、BRT(バス高速輸送システム)としてすでに復旧し運行されているが、そのままBRTでの継続か、あくまでも鉄路での復旧か、地元とJRとの話し合いが続けられてきたが、最終的にBRT継続でまとまった。
 震災前には1日あたり19本の運行だったものが、BRTとなって29本から53本にも増便され新駅も5つ設けられていて、利便性が向上していた。
 こうしたところから、BRT継続へ傾いていったものだが、今後は新駅の増設やBRT専用道の延伸などが地元から要望されている。
 なお、接続する気仙沼線については、あくまでも鉄路での復旧を望む声が過半数に近く、BRT継続は20%未満だったが、もともと利用者数が減少していた路線でもあり、BRT継続となる公算が強いようだ。
 三陸鉄道南リアス線とJR大船渡線が接続する盛駅で発着状況を見ていたが、三陸鉄道の列車が入ってきても、その先に鉄路がなく、BRTのバスが引き継いでいて、一抹の寂しさは隠せなかった。
 ただ、私はこのBRT路線を2度ほど利用したことがあるが、大半が国道を走り、専用道部分はまだまだ少ないものの、それでもダイヤは正確で、また時刻表通りの運行に感心したものだった。
あくまでも鉄路復旧か、BRT継続か考えさせられるところだった。


写真1 復旧に向け着工された山田線。閉伊川鉄橋で。


写真2 山田線では路盤の点検や枕木、レールの交換が行われていた。


写真3 盛駅に入線している三陸鉄道南リアス線列車(右)とJR大船渡線BRT。この二つの路線は鉄路で結ばれることはなくなった。

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