2016/02/01

雪の米坂線

 先週は山形から新潟、長野へと旅行した。
 山形から新潟へは米坂線で向かった。
 米坂線は、旧国名でいうと出羽から越後へと山形新幹線(奥羽本線)の米沢駅から羽越本線の坂町駅を結ぶ路線で、全線90.7キロの長いローカル線。
 このたびの旅の楽しみの一つは、この米坂線に乗ることで、これまでに3度乗っていて今回が4度目だが、雪の季節がもっとも風情があってよい。
 米沢駅。乗ってきた山形新幹線つばさ127号は10時25分の到着。米坂線の発車まで4分の待ち合わせしかないが、幸い、つばさ号の到着が1番線ホームで、米坂線の4番線は、この1番線の後方に切り込むように設置されており、同じホーム内での移動のためスムーズ。
 待つほどもなく(ということは、名物の米沢牛弁当を買う時間もなく)10時29分の発車。2両のディーゼル列車ワンマン運転。乗客は1つのボックスに1人の割合と空いている。
 曇ってはいるが明るく、一面の銀世界がまぶしいほど。米沢盆地が広大だ。左右の車窓いっぱいに純白の風景である。雪で覆われているから定かではないが、おそらく一面の田んぼであろう。
 羽前小松10時50分。ここで途中下車すことも検討したが、先を急いだ。ここは井上ひさしさんの故郷で、彼の蔵書40万冊だったかが寄贈されて遅筆堂文庫が設立されている。かつて2度見学したことがあるのだが、数十年ぶりのこと、その後の様子が知りたかった。
 フラワー長井線の接続駅今泉を経て手ノ子。ここあたりまでで盆地が終わり、山中へと入っていく。ここから羽前沼沢の間が25‰の急登攀となった。山また山の連続で雪が俄然深くなった。
 小国を出て越後金丸との間が山形‐新潟の県境で、これを長いトンネルで越した。トンネルの連続で、トンネルを一つ出るごとに吹雪が強まった。川が寄り添ってきた。日本海に注ぐ荒川である。
 再び平野部となって坂町12時25分の到着。新潟に入ったら寒さが増したようで、荒川が、大きな川なのに結氷していた。
 米沢から坂町まで約2時間。この間、絶壁があるわけでも大河を渡るわけでもなく、およそ絶景路線ではなし、大方の鉄道ファンですら退屈な路線と評するだろうが、何の変哲もないただ雪があるだけの、この山越えの米坂線が私は好きだ。
 しかも、これは特急列車でびゅーんと通り過ぎたのではダメで、しんしんとした雪景色の中を各駅停車でのんびり行くのがよい。そうした汽車旅をこのたびは堪能できた。


  


写真1 一面の銀世界。羽前小松付近で。


写真2 山形‐新潟県境は深い山また山の連続である。


写真3 県境を越したら荒川が見えてきた。

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