2016/01/05

2016年の正月

 今年の正月三が日は、暖冬といわれていた通りに、ぽかぽか陽気とまではいわないが、冬らしい厳しい寒さもなく、概して穏やかな日和だった。
 早朝の散歩も、6時40分頃、夜が明けだしてすぐに家を飛び出すのだが、家を出てすぐにはさすがにブルッとくるが、それでも少しするとまもなく身体も温まってきて、用心して厚着などしていると汗ばむほどだ。
 昇りはじめたばかりの太陽は、まだ低い位置にあって正面にはまぶしいばかりだが、振り返れば長い影をつくっている。すっかり葉を落としたケヤキが空に向かって大きな枝を広げている。
 澄んだ青空、張り詰めたような凛とした空気、オレンジ色の大きな太陽は冬ならではの情緒があって好きだ。
 お互いに時間帯が決まって同じだからだが、すれ違う人々の顔ぶれに馴染みが少なくない。ただ、正月だからか、いつもより人影は少ないように感じられた。
 いつもの公園では例年通り蝋梅が咲いていた。黄色い花に華やかさは薄いが、それでも、木に咲く花の少ないこの時期はありがたいし、品のいい穏やかな甘さを感じさせる香りが喜ばしい。椿が大きなつぼみを付けていたし、梅も芽吹き始めていた。
 元旦には、これも例年通り初詣は浅草寺に出かけた。毎年決まって元旦にそれも同じ時間帯に出かけているのでわかるのだが、今年は昨年に比べ随分と賑わっていた。昨年の元旦は震えるような寒さだったのに対し、今年は穏やかな陽気だったから出かける人も多かったのだろう。
 浅草寺は、仁王門にあたる雷門から仲見世を通って総門にあたる宝蔵門を経て本堂まで約200メートル。仲見世の道幅が狭いのでいつでもごった返していてのろのろとしか歩みは進まない。
 ただ、雷門から本堂までだけで浅草だと思ったら大きな勘違いをしたことになる。寺域もそうだが、この浅草寺がつくる門前町浅草はとても大きくてどこまでも賑やか。西参道や伝法院通りなどと多くの街路が浅草寺に向かい、それらをおびただしいほどの路地が結んでいる。
 浅草寺が近づくと屋台が蝟集していて、これも浅草の風物詩である。その数数百。おそらく日本最大ではないか。
 浅草寺を地元の人たちは単に観音様と呼ぶが、浅草は江戸からいつに変わらぬ庶民の盛り場であり、よく言われる通り、銀座は日本全国にあるし、新宿は池袋や渋谷と並ぶが、浅草はここにしかない風情がある。

 


写真1 木立の間から昇る初日。


写真2 かぐわしい香りの蝋梅の黄色い花。


写真3 大賑わいの浅草寺。奥が本堂。

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