2015/11/24

連休の小旅行

 このたびの連休は、わが家では、当初、何の計画もなかったのだが、前日になってどうしようということに。混んでいるところに年寄り夫婦が好きこのんで出かける必要もないのだけれども、紅葉が見たいということで、日光やら数カ所探したのだが、どこも旅館やホテルは満室。それはそうだ、前日に都合よく泊まれるところなどあるはずもない。
 それで、ほとんどあきらめかけていたら家内から、都心のホテルに泊まっておいしいものをいただいてのんびりしようとの提案。前にも同様の企画は二度ほど実行したことがあって、家内としては好印象を持っていたようだ。
 これは泊まりがけで出かけることが肝心で、これなら日常からの脱出ということにはなる。家内にすれば家事からの解放が新鮮なわけだし、私にしても、家に帰ることを気にせず夜遅くまで遊べるというのはありがたい。これにおいしいものをいただいて、エンターテイメントの一つもあれば最高の小旅行となる。
 ただ、いかんせん、前日になってからの行き当たりばったりの手配のこと、ホテルやレストランも、第一第二希望はおろか、やっと四番目五番目くらいのところで予約が取れたという次第ではあった。
 向かった先は銀座。
 まずはエンターテイメントは今回選んだのは映画。角川シネマ有楽町で上映されている小栗康平監督『FOUJITA』。この映画は都内でも上映しているところは2箇所しかなくていい機会だった。
 主演はオダギリジョー。藤田嗣治を描いたもので、小栗の演出は、近景を額縁のように切り取ったカメラワークが独特だったが、内容は難解だった。
 ほかには、翌日には白金台の東京都庭園美術館へ。これは家内のたっての希望。かつての朝香宮邸だったところで、オットー・クンツリ展という企画展もさることながら、建物自体に価値があるすばらしいものだった。全体がアールデコ調で、アンリ・ラパンの室内装飾設計も、ラリックのシャンデリアなどの装飾品も、今日に至っても現実の屋敷として見られるということに価値があるようだった。
 また、ここはその名のように庭もすばらしいのだが、増築された新館の白で統一された建物もすばらしいもので、ここのカフェもなかなかよかった。
 私は美術館にあるカフェが大好きだが、ここのカフェ(カフェ・ド・パレ)は高い天井に全面ガラス張りの部屋が庭に面しすばらしい景色だった。また、いただいた濃いめのコーヒーも、シフォンケーキも味わい深いものだった。
 さて、食事について。わずか1泊2日、昼2回夜1回のことで、何も値の張る高級なものが欲しいわけではまったくないが、わざわざ出かけてきているのだし、おいしいものをいただきたい。また、これは夫婦意見の分かれやすいところだが、今回は比較的すんなりとまとまった。それよりも、希望する店の予約が取れなくて、そっちの方で苦労した。
 その結果、いただいたのは、初めの昼が寿司、夜がイタリアン、翌日の昼が天ぷらということになった。選択肢は幾つもあったのだが、フレンチがイタリアンに変わったほかは、中華もすき焼きも最終候補には残らなかった。
 いずれにしてもとてもおいしいものばかりで、店も普段よりは少しばかり気張ったところでとても納得できた。とくにイタリアンのメインディッシュでいただいたスズキは、この時期のものらしくうま味があり味わい深く、アクアパッツァという料理らしいが、たっぷりの汁がとてもおいしくて、パンのおかわりを頼んで、その汁に浸していただいたほどだった。
 このたびの小旅行、ちょっと贅沢だったかなと思ったのだが、家内が締めたところによると、観光地へ出かけたことと比べると、足代もかからないし、総経費はさほど変わらなく、それよりも全体にゆったりのんびりしたスケジュールになっていたのもよかった。

 


写真1 深い影が迫る晩秋の銀座


写真2 庭園が美しい東京都庭園美術館。奥がアール・デコ調の本館で、左がカフェのある新館。

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