2015/11/16

AWSのコンペティション

 12日まで4日間にわたりシカゴのマコーミックプレイスで開催されたファブテックで興味深かったのは、主催者であるAWS(アメリカ溶接協会)が実施した溶接の実力を競うコンペ。
 三つあって、一つがプロフェッショナル・ウエルダーズ・コンペティション、つまり溶接士たちの溶接技能競技会。
 マグ溶接による競技で、課題はタテの平板に角パイプをヨコに取り付けるもの。角パイプのサイズは10センチ角程度だが、平板は固定されている。つまり、全姿勢溶接が必要となる。なかなか難易度が高い。ビード外観と所要時間で判定される。
 できあがった作品を見てみたが、さすがにプロの溶接士たちにとってもなかなか難しかったようで、ビード外観で判断する限り満足いくものの方が少ないようだった。
 競技には参加費15ドル(約1800円)が必要だが、次々と腕自慢たちが訪れて挑戦していた。競技は9日から3日間にわたって行われた。
 主催者によると、期間中、150人くらいチャレンジするのではないかと話していた。競技ブースが8つあって、訪れたときには8人中半分の4人が女性だった。
 この比率は全体を表してはいないかもしれないが、この場面で見る限り、女性の進出は着々と進んでいるような印象だったし、アメリカにおける女性ウエルダーの活躍には目を見張らせるものがあると思われた。
 最終日の11日に結果発表と表彰が行われ、1位2,500ドル(約30万円)、2位1,000ドル(約12万円)、3位500ドル(約6万円)の賞金が授与されたほか、10位までが表彰された。上位入賞者には賞金のほか盛りだくさんの副賞も付いていた。
 二つ目のコンペは、ウエルディング・ワー。直訳すれば溶接戦争ということだが、これは学生たちによる溶接競技大会。大学生、専門学校生、高校生ら対象で、3人1組のチームになって競技する。課題は屋根がついたボックス。できあがると小さな家のような形になる。薄板が課題で、マグ溶接による製作となる。
 AWSは全国キャラバンを行うなどして学生や高校生たちに溶接の普及を図ってきているが、ここでも、高校生はじめ若い層の溶接進出を促すAWSの取り組みがうかがえるようなイベントで、様々な機会を捉えて学生たちの溶接への参画を促しているものといえるようだった。
 三つ目のコンペは、ロボット溶接コンペ。ロボット溶接オペレータたちによる競技で、競技は、課題の設計図に基づいてプログラミングとティーチングを行い、実際に溶接を行うというもの。課題となっているワークは、平板のT形すみ肉溶接継手と、円柱の回し溶接継手。溶接箇所は規定されており、最終的にはビード外観と所要時間で判定される。
 メーカーが協賛していて、参加メーカーはリンカーン+ファナックロボット、リンカーン+ウオルフロボット、ミラー+パナソニックロボットの三つ。一つひとつがセルになっていて、参加者はセルを選択する仕組み。
 溶接条件の設定も課題のうちで、とくに脚長や溶接長は厳密に規定されており、メーカーの技術者が付き添っていたが、参加者たちは手こずっているものが大半の様子だった。
 なお、参加にはプロ、アマを問わなく、一定の成績を挙げれば、CRAW(ロボットアーク溶接認証)の資格が授与されるという。


写真1 専門の溶接士が参加したプロフェッショナル・ウエルダーズ・コンペティションの溶接の模様。


写真2 学生たちによる溶接競技コンペ。参加者は3人1組になって競技を行う。写真は競技前に早くもグッドサインを掲げるチーム。


写真3 ロボット溶接コンペの模様。ティーチングなどに手こずっている様子も。

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