2015/11/11

AWS2015年次総会

 シカゴ滞在中の9日月曜日にマコーミックプレイスで開催されたAWS(アメリカ溶接協会)の2015アニュアルミーティングに出席した。
 これは年次総会にあたるもので、歴代の役員など約150人が出席していた。私はインターナショナルゲストとして招かれていた。
 冒頭、アメリカ国旗を捧げ持った兵士が入場し、アメリカ国歌が歌われ、バグ・パイプの演奏が続くなど極めて厳かな雰囲気の中で始まった。
 初めに、デヴィッド・ランドン会長が登壇、在任期間中の2015年を振り返りながら、「AWSは成長している」として数々の活動の成果を強調していた。
 ただ、溶接従事者の不足は顕著で今後ますます厳しくなるとの見通しを示していた。それによると、不足率は、作業者が現在の54%から2020年には63%までに9%も上昇し、技術者では現状33%が15%上昇し48%へ、研究者は28%から9%上昇し37%となるとしていた。
 まことに厳しい数値ということになるが、こうした状況も踏まえ2020年をゴールとしたストラテジィとして、製造プロセスのインテグレーション、溶接士・熟練技能者の訓練、溶接士の作業環境の改善、溶接のイメージアップ、新材料の開発の5項目を挙げていた。
 なお、アメリカ溶接業界振興のために設定されているAWS基金に関し、2015年9月現在の拠出額は総額10.4ミリオン(約12億4800万円)で、このうち溶接士の教育スカラシップに50万ドル、溶接士の要員確保に50万ドル拠出したと述べていた。
 続いて2016年度会長に選出されているデヴィッド・マックウエイド氏に引き継ぎが行われ、マックウエイド次期会長は長年にわたり標準化に携わってきた経験から、「当初は小冊子程度だった規格ハンドブックは、2015年度版では600ページにもなった」として標準化の進展を指摘していた。また、教育の充実を掲げていて、基礎と安全の推進を強調していた。AWS会長の任期は1年である。
 なお、事業報告の中で、AWSが実施している溶接の普及活動のためのトレーラーによる全米キャラバンについて、2011年から2015年までの統計は、イベント数70件、延べ日数232日、訪問州数43州に達し、この間、11万5千人が参加、17万5千人がヴァーチャルウエルディングを経験したと報告されていた。
 私は、このAWS年次総会にはここ十数年来ほぼ毎年出席していて、また、主要なメンバーとの交流も深く、会場にはこうした旧知の方々が数多く出席されていて、改めて旧交を温め合ったのだった。アメリカ人は友好を大事にしていて、しかも相手の名前をいつまでもきちんとおぼえていて、あちこちから声をかけられていたのだった。

  
 


写真1 厳粛にも華やかに開催されたAWSの年次総会。


写真2 新旧会長の握手。ランドン会長(右)とマックウエイド次期会長。

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