2015/11/05

釜山の食

 先週は釜山に出張だった。
 わずか3泊4日のこと、つまり、夕食も3回だけのこと、何ほどのこともないが、釜山の印象を食を中心に一つ二つ。
釜山は港町。世界第5位のコンテナ取扱量を誇るような貿易港であると同時に、漁港としても有数の規模にあるようだ。
 魚市場に接して魚屋が軒を並べている。この商店がそのまま食堂にもなっていて、新鮮な魚介類を提供して人気を博している。
 チャガルチ市場と呼ばれる地区で、龍頭山の西麓に位置し、国際市場の南西に当たる。ここを夕食がてら訪れたのだが、ものすごい活気だった。
 何しろ、岸壁のすぐ裏側にあたるのだから、水揚げされたばかりの魚を直線にすればほんの数十メートルの場所で食べるということになるわけで、新鮮でなかろうはずがない。
 まずは市場を一通りのぞいてみた。ありとあらゆる魚が屋台に並べられている。タコ、イカ、サバ、ヒラメ、カニ、カキ、アワビ、サザエ、ハマグリなどのほか、名も知らぬ魚介類も数多い。とにかく巡っていて楽しくなる。
 大方の魚屋は奥が食堂になっていて、目についた魚を指させばすぐに料理して出してくれる。料理方法もその場で相談できる。
このうちの1軒を選んで入った。頼んだのはカニとヒラメをメインにその他数種。ホヤもあったので頼んだ。
 カニは日本でいうズワイガニ。甲羅の直径が20センチほど、足を伸ばしたら1メートルを超えていたようで、大変大ぶりだった。
 これを蒸して提供してくれた。ゆでる日本とは大きく違う。うま味が逃げなくていいのだということだった。3人で2匹を食べたら満腹だった。とにかくしゃぶりつくようにしていただいた。終わりに、カニ味噌でおじやを作ってもらったが、これも美味だった。
 ほかに、刺身はヒラメ。これも大ぶりなものでいかにも豪華。しこしこと歯ごたえもあり、甘みもあってとてもおいしいものだった。日本ではとても手が出ない高級食材で、ここでは思いっきり食べたが、3人で食べきれないほどだった。
 函館や釧路などと魚市場に隣接する食堂街は日本でも人気だが、この釜山ほどの規模や新鮮さにはお目にかかったことがない。
 また、別の夕食では、韓定食というものをいただいた。かつては庶民が食べることはなかったようだが、驚いたのはその種類の多さ。実に22種もの料理が出てきた。一つひとつは食べやすいように小分けしてくれていたが、それでもこれほどの種類にもなると後半はもてあますほどだった。ただ、どれがメインディッシュなのか、印象が散漫になった。
 酒は、韓定食の時には花郎という日本酒のような酒が振る舞われた。日本酒より多少強いか、なかなか味わいのある酒で、冷酒で飲むのだがおいしくて気に入った。なお、魚市場での食事の際には、ビールが中心だった。というよりも、カニを食べることに夢中になり、とても酒までは気が回らなかった。
 なお、韓国では、料理を頼むと、それがどんなものであれ、必ず小皿が数種類付いてくる。キムチやナムルなどとあって、すべてサービスである。
 また、紅参をはじめ滋養強壮に良さそうな食材が盛り込まれていて、韓定食などまるで薬膳料理かと思われるほどだった。
 わずかな経験だが、食がよければほかに何も言うことがないわけで、釜山は結局好印象だった。


写真1 魚屋が軒を並べるシャガルチ市場。夜まで活気があった。


写真2 これを2匹3人でいただいたらすこぶる満腹だった。活きているので動き回って写真が撮りにくい。


写真3 22種もの料理が提供された韓定食。申し訳ないが、何のことはないこのチヂミがいちばんおいしかった。

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