2015/10/21

マルチスケール・モニタリング

 「溶接管理のためのマルチスケール・モニタリングの展望」と題するセミナーが昨日20日、東京で開催された。
 溶接接合工学振興会主催のセミナーで、今年が第26回目。時宜を得たテーマに、一流の講師陣とあって毎回好評で、今回も定員80人のところ100人を上回る聴講者だった。
 インダストリー4.0やIoTなどとものづくりに大きな変革の波が訪れているが、その流れの中で、溶接管理に資するモニタリングの最先端に焦点を当てていて、それもマルチスケール、すなわちナノ・スケールからミリ・スケールさらにはメートル・スケールと多彩な視点に立っているのが特徴だった。
冒頭、本セミナーの企画立案を担当した東京大学大学院工学研究科システム創成学専攻青山和浩教授が開催趣旨説明(基調講演)行ったが、その中で、サイバーの世界とフィジカルの世界との融合が肝要で、インダストリー4.0にしろ「全てのモノがつながることによる、新たなモノづくりの姿を目指す」としていたのが印象的だった。
 その背景として、情報技術の高度化と製造管理技術の変革があって、今後ますます溶接プロセス管理の高度化への期待が高まっているとしていた。
 講演は、第1部「マルチスケールで溶接品質を観て管理する」では、大阪大学大学院工学研究科平田好則教授が「溶接アークの3次元モニタリング」と題し、可視化によってアーク溶接現象のメカニズムに理論的アプローチが進み、三次元溶融池モデルの構築へと展開していると述べていたほか、溶接中の割れ・温度モニタリング、溶接部組織変化モニタリング、レーザ超音波法による溶接部のインプロセスモニタリングなどと各分野からのモニタリングの現状が報告されていた。
 また、第2部「マルチスケールで溶接工程を観て管理する」では、製造現場のシミュレーションなどによる溶接管理への各種アプローチが報告されていた。
 セミナーを聴講して感じたことは、インダストリー4.0やIoTなどという新しい流れに対し溶接がものづくりの中核を先端で担っているという知見が得られて、ちょっとした「興奮」があってうれしかった。


写真1 満員の聴講者を集めて開催されたセミナーの模様。

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