2015/10/20

高校生の溶接アート

 高校生による溶接コンクールが全国的な広がりを見せているが、愛知県の取り組みはなかなか特徴的だ。
 愛知県の工業高校生溶接競技大会には、競技部門のほかにアート部門があるのである。
 大方の県ではもちろん競技部門のみが一般的なのだが、その競技部門においても愛知県は独特で、競技種目に被覆アーク溶接部門のあるのは一般的だが、炭酸ガス半自動アーク溶接部門を含め2部門のあるところは全国でも比較的珍しい。
 いわんや、アート部門のあるのは愛知県のみで、そのアート部門の審査会が昨日19日、名古屋市の愛知県立名古屋高等技術専門で開催され、私も委嘱されて審査委員の一人として審査にあたった。
 出品したのは、県下15の高校から37作品。特筆すべきは、競技部門に参加していない高校からも3校の参加があったことで、様々な機会と形をもって高校生に溶接というものが浸透していることは極めて重要なことと思われた。
 出品された作品を見てまず驚いた。このコンペは今年が7回目で、私は第1回から審査委員として参加しているが、年々、作品のできあがりが向上しているのである。参加している高校は常連が多いようだが、年ごとに切磋琢磨して向上している様子がうかがえる。
 今年のテーマは、「芽生え」。このテーマに対して、テーマ性15点、芸術性50点、技術性35点が配分され、総合得点で順位を決定する仕組み。
 審査には、学識経験者のほか工芸家や高校教員も加わっていて、教員には機械系のほか、今年からデザイン系も含まれている。
 審査にあたっては、今年はとくに芸術性を重視することとしており、オリジナリティや創造的感性をより評価することとした。
 審査の結果は順当だったようで、大方の審査委員が評価した内容がそのまま順位に反映されたようだった。
 とくに、結果を見ると、溶接性も含めて全体的なまとまり、完成度の高さによって上位の入賞は決まった模様だ。
 上位入賞者には、特別賞として順に愛知県知事賞、名古屋市長賞、職業能力開発協会会長賞、愛知県溶接協会会長賞、産報出版賞などが贈られることになっている。
 また、全作品は1週間高校生向けに展示されるほか、上位入選15作品は市内のホテルで一般に公開されるほか、とくに上位5作品は全国産業教育フェアで公開されることとなっている。


写真1 アート部門審査会の模様。力作が並んでいた。


写真2 県知事賞に輝いた「未来への飛翔」(愛知県立春日井工業高校大島凌平君ら6名)

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