2015/10/09

函館の魅力

 函館に来ている。
 函館は2年ぶり。たびたび訪れているが、いつ来ても独特の情緒がうれしい好きな街。
 魅力の一つは港町の風情だろうか。それも青函連絡船への思いが強くて、廃止されて随分となるのに、いまだにイメージが残る。
 この連絡船のせいでもあるのだろうが、函館は札幌などに比べて東北がより近いように思われる。札幌も先月訪れていたばかりだから、続けて来てみると、その微妙な差が感じられる。食べ物、それから言葉遣いにも東北の近いことがわかる。
 もっとも、海峡をまたいでいるだけのことだから当然だろうが、連絡船で4時間だっただろうか。現在では青森‐函館間が青函トンネルを抜けて特急列車で約2時間。そう言えば、函館駅に「北海道新幹線2016年3月26日開業」の大きなパネルが掲示してあったが、そうなると、新青森‐新函館北斗間はわずかに約1時間。まるで本土が隣町のような近さとなる。
 私は青函連絡船には3度しか乗ったことがないが、いずれの場合もずっと海ばかりを飽かず眺めていたような記憶がある。
 現在の函館駅は新しくした際に移動したようで、連絡線の岸壁からは遠くなったし、大連絡橋もなくなってしまった。現在、連絡船記念館となっている摩周丸が係留されているあたりが岸壁だったのだろうか。そういう意味では、青森駅の方がまだ連絡線時代の名残を多少は濃くしているのかもしれない。
 函館は、路面電車と坂道が似合う街。また、開港以来の教会群も異国情緒たっぷりに函館の魅力を豊かにしている。こうしてみると長崎に印象を近くしている。さらに付け加えれば函館も長崎も造船の街。神戸も似ているが、残念ながら現在の神戸に路面電車は残っていない。
 函館の路面電車は、二つのルートに総延長が10.7キロ。長崎などに比べて断然短いが、それでもすべての電車が函館駅前を通っているし、函館の主な観光地とはおおむね結んでいる。そう言えば、函館駅前の電停が新しくされていて、道路との仕切りパネルが金属製になっていた。昨日の地元新聞で紹介されていたが、函館のイメージを尊重し造船技術を応用したとあった。
 坂道をそぞろ歩くのも楽しい。路面電車の走る、その名も海峡通りという情感たっぷりの通りから坂道を登っていくと結構な急坂。いくつもの通りが函館山の麓と海岸を結んでいるが、この時期、私の最も好きな通りは大三坂(だいさんざか)。
 急な坂道で、沿道両側にはナナカマドが植えられていて、すでに紅葉が始まっていたし、赤い実をいっぱいにつけて見事な美しさ。坂を登っていくと、教会群が並んでいてとても風情がある。
 食も函館の楽しみの大きな一つ。毛ガニやウニなどは高価でなかなか手が出ないが、函館の名物は何といってもイカ。とにかく新鮮だしとてもおいしい。
 滞在中、今回も行きつけの寿司屋でいっぱいやったが、新鮮で安いのが魅力。この時期イカは真イカが中心。実が厚く歯ごたえがある。味では、この先、11月くらいから出回るヤリイカが人気だし、値段も真イカの倍くらいはする。
 また、この寿司屋ではにぎりもいただいたが、アワビ、イクラ、ホッキなどと高級ネタにイカ刺しの舟盛りが付いてたったの千二百円。とても信じられないくらいの破格の値段で、話し好きの親父によると、何とかやっていけるとのこと。函館の人がうらやましい。
 それと、一つ忘れてならないのは函館の温泉。函館の麓に谷地頭温泉という共同浴場があって、お年寄りを中心に地元の人たちで賑わっている。とても大きな浴場で、浴槽が四つほどある。そのうちの一つ、熱い風呂では44度もあって、熱い湯が好きな私としては極楽のようだった。


写真1 函館山を背景に走る函館市電。電停十字街付近で。


写真2 函館山の麓に坂道が多い函館。これはナナカマドの紅葉が美しい大三坂。


写真3 函館の台所、函館朝市。大勢の観光客で賑わっている。食堂も軒を並べていてその場で新鮮な食が楽しめる。

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