2015/09/30

CFRPセミナー

 「構造材料としてのCFRPとその加工技術」と題するセミナーが、昨日29日、名古屋市で開催された。産報出版の主催。
 CFRPとは、炭素繊維強化プラスチックのことで、軽量で(比重は鉄の4分の1)、強度も高い(比強度は鉄の10倍)ところから応用が急速に拡大している材料。開発当初はカーボンファイバーとしてゴルフクラブのシャフトや釣り竿、自転車などに使われていたが、近年、航空機や自動車などへ構造材料として適用されるに及んで俄然注目されている。ただ、CFRPは加工が難点で、とくに適用を拡大する上で金属材料など異種材料との接合技術が課題となっている。
 こうした背景で開催されたセミナーだったが、会場は満員の盛況で、CFRPへの関心の高さを伺わせた。参加者の顔ぶれを見ると、大半が若手の研究者・技術者で、業種は自動車、航空機、鉄道車両といったユーザーや、CFRP材料メーカー、加工機メーカーなどと幅広いものだった。
 この日のセミナーでは、材料としてのCFRPのことから、成形技術、溶接・接合技術、加工技術、さらに航空機への応用などとCFRPの全体像に及んでいて、それも講師陣には日本における権威がずらり顔を並べる豪華さで、大変充実した内容となっていた。
 冒頭、「高機能性構造材料としてのCFRPの活用と今後の課題」と題し基調講演を行った石川隆司名古屋大学教授は、航空機への適用が進み、ボーイングB‐787では機体の50%がすでにCFRPとなっていること、ただし、さらなる普及には製造コストの軽減が課題であること、異種材料との組み合わせでは、CFRPはアルミよりもチタンに親和性があること、自動車においてはドイツのBMWが高級車に適用し、年間1万数千台に及んでいること、研究開発から応用に至るまで先行する欧米と日本は大人と子供ほどの差があることなどと話していた。
 また、「CFRPの加工特性と金属材料との異材継手のレーザ溶接・接合」と題し講演した片山聖二大阪大学接合科学研究所教授は、レーザによる切断と溶接・接合を中心に話され、まず切断においては、ディスク、ファイバー、ピコ秒パルス各レーザで良好な切断品質を得られていること、とくに高速性が肝要であること、溶接・接合については、ステンレス鋼、アルミニウム合金、亜鉛メッキ鋼とCFRPとの接合でいずれにおいても直接接合で強固な接合継手を得られていること、とくに金属側から接合することが肝要であることなどと話していたのが印象的だった。


写真1 セミナーの模様

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