2015/09/01

展覧会『これからの美術館事典』

 国立美術館コレクションによる展覧会で、国立美術館5館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館)の共同主催。会場は北の丸公園の国立近代美術館。
 大変贅沢な企画だが、展示は、<A>にArchitecture(建築)、<C>にCuration(キュレーション)などとアルファベット順にキーワードが並べられていて、美術館に関わる事柄を事典をひもとくように見ながら進むように構成されている。
 <H>にはHanging(吊ること)とあって、自他殺は不明だが傾いた椅子が吊られている作品が展示されてあってどきっとさせられたし、<W>ではWrap(梱包)とあって、展示されている作品のものであろう、段ボール函まで出品されている懲りようだった。
 しかし、魅力は国立美術館5館から選りすぐった作品。この中で、<C>にConservation(保存修復)というキーワードがあり、安井曾太郎の「金蓉」が展示されていた。いつ見ても安井らしい美しい女性が青を基調に描かれていたが、面白かったのは修復前のコピーも一緒に並べられて展示されていたことで、美術館の業務がうかがい知れるようだった。
 アンリ=ジャン=ギョーム・マルタンの「自画像」がまるでゴッホの作品のようで面白く足を止めたら、それは<F>Frame(額/枠)というキーワードが付けられていた。
 ほかに、モネの「ウォータールー橋、ロンドン」や小倉遊亀の「少女」などとあってハッとするほどの美しさだった。
 なお、会場の入口に表示してあったが、国立美術館5館のコレクション数は41、882点で、このうち今回展示されているのは169点だということだった。


写真1 展覧会場の様子。写真撮影も自由でじっくり鑑賞できた。


写真2 安井曾太郎「金蓉」。修復前後の作品が並べられて展示されていた。


写真3 マルタン「自画像」は、フレームのキーワードに展示されていた。

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