2015/08/07

まるで秘境駅?鶴見線大川駅

 先日のこと、ぶらり鶴見線に乗りに出かけた。鶴見線には、鶴見駅から扇町駅を結ぶ本線7.0キロのほか、海芝浦支線1.7キロと大川支線1.0キロがある。
 この日は土曜日だったのだが、まず海芝浦支線を片付け、続いて本線を終着扇町まで乗ったところまではよかったのだが、さて、次は大川支線となったところで頭を抱えてしまった。
 大川支線は、安善駅と大川駅を結ぶわずか一駅の区間。大変不便な路線で、土休日の場合、鶴見発が朝7時台に10分と55分の2本のほかは、夕方17時45分の1本しかない。つまり、1日3本の運行ということになり、まるで秘境線並だ。
 この日は当日の朝になってからの気まぐれにぶらっと出てきただけのこと、かつて乗ったことがあり初めての路線でもないとはいえろくに時刻表も調べずに出かけてきたのが失敗だったのだが、これは鉄道ファンとしてはいかにも情けない。ただ、大川支線も平日なら朝7時台、8時台に各2本ずつある。
 それで、大川支線だけを残しておいたままではいかにも気持ちが片付かないし、それなら平日にということで朝の出勤前に乗ってきた。
 8月5日鶴見発7時35分発。平日の朝時間帯は列車本数がそれなりに多いこともあって日中は使わない4番線からの発車。3番線4番線ともに通勤客でいっぱいである。定刻より1分遅れて発車。ぎゅうぎゅう詰めではないがそれなりに混んでいる。
 鶴見から3つ目の弁天橋で半数が下車した。浅野、安善と続く。いずれも駅間距離が短くて、大半が1キロに満たない。1キロを超すのは武蔵白石-浜川崎間の1.6キロだけである。武蔵白石-大川間も1.0キロしかなく歩いてもさほどの距離でもないが、鉄道に乗りに来ているわけだからそうもいかない。ここは頑なである。
 安善を出ると列車は武蔵白石の手前で右に大きくカーブしていく。大川支線は線区としては武蔵白石-大川間だが、列車は武蔵白石には停まらない。そもそも武蔵白石に大川支線のホームすらない。
 ただ、かつてはちゃんとこの武蔵白石から大川線は分岐していたのだが、そうすると、武蔵白石を出てすぐにほぼ直角に右折しなければならないため、車両に短いものしか使えなかったようで、このため一つ手前の安善を出て武蔵白石の直前で裏側に回り込むように路線をとったもののようだ。なお、大川支線の営業距離1.0キロは現在も武蔵白石-大川間のものである。
 そうこうして大川7時48分着。乗客が一斉にはき出され、片側1線の狭いホームが一瞬だけ溢れる。
 線路は行き止まりで、乗客のほぼ100%が近隣の工場への通勤者。駅前には三菱化工機の工場があった。
 すぐに7時53分発で折り返したが、乗客は自分以外にたったの一人もいなかった。つまり、この周辺には一般の住宅は皆無ということなのであろう。
 近隣は大工場とはいえ、休日ともなれば列車は朝夕合わせても3本しかなく、空白の時間帯が9時間も続き、しかも朝だというのに折り返しの列車に人がないというのは、これはもう首都圏とはいいながら秘境駅みたいなものだなと感じ入った次第だった。もちろん、毎日通勤で利用している人たちには申し訳ないことだが。


写真1 大川駅に到着した列車。


写真2 鶴見線大川駅前。


写真3 武蔵白石駅(左奥)をかすめるように右にカーブしていく列車。残っている線路がかつての大川支線のものか。

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