2015/07/16

村上

 昨日15日から新潟県村上市に来ている。
 村上は、日本海に面した新潟県北部の都市で、羽越本線で新潟から特急電車で約45分、村上駅が最寄り駅。
 当地で会議があって来たのだが、少し早めに着くようにして市内をぶらついた。実は、ここ村上の町を散策するのは2度目なのだが、魅力的なところという印象が残っていた。
 村上は城下町。初め本庄氏が築城し、その後、村上、堀、本多、松平などと細かく藩主が交代し、18世紀前半、内藤家が藩主となって維新を迎えた。この間、松平大和守直矩の時が石高最高で十五万石、最後の内藤豊前守信美では五万石だったらしい。
 そう言えば、全国の城下町を訪ね歩いて秀逸なエッセイを遺したイラストレータの安西水丸が、城下町は十万石以下あたりが一番それらしい雰囲気を残しているとし、この村上についても「渋い」と書いていた。
 自転車を借りて駅から巡りはじめた。街はほぼ平坦なのである。正面に小高い山が見えていてこれが臥牛山。牛が寝ている姿に似ているところからこの名が付いたらしいが、これがいわゆる村上城跡で、まずはここを目指した。
 自転車で十数分。麓に自転車をおいて登りはじめた。案内には約20分とあり、七曲り道とある。なるほど緩やかな坂がつづら折りになっている。途中、10分くらい歩いた頃か、五曲りとあったのでもう少しだなと思ったのだが、実際はここからがきつかった。
 その五曲りを過ぎて古い石垣が見えてきた。案内通りちょうど20分で頂上すなわち本丸跡に。
 さほど広くもない本丸跡だったが、ここからの眺望がすばらしかった。眼下に村上の街並みが広がっている。右手には鮭の遡上で知られる三面川が流れ、正面に日本海が見える。この日は快晴ではあったのだが、水平線近くは薄くガスが張っていて定かではないが、見通しのよい日には海上右に粟島、右手遠くには佐渡島までも遠望できるということである。
 この村上城跡には石垣が残るのみで建屋は一切残っていないのだが、それがかえって往時を雄弁に偲ばせているようだった。専門的なことはわからないが、臥牛山を利用した巧みな石垣の配置は堅固な城を思わせた。城跡にはあちこちにユリの花が咲き乱れていて、かぐわしい香りが漂っていた。
城から街に下りると、いかにも城下町らしいたたずまいで、まっすぐ見通せる道は少なく、鍵形に細かく街路が曲がっていたりしてなかなか風情のあるものだった。
 ここ村上は鮭の産地として知られるが、通りのあちこちで軒下に鮭をまるごと釣って干している様子が見られた。鮭はまるで燻製したように黒光りしていて、1匹1万円もするらしい。なお、鮭はしっぽから吊してあって、聞くところによると首をつることを忌み嫌ったためらしい。これも武士の習慣らしい。
 途中、昼食をいただいた店も鮭料理が得意なようで、メニューには塩引き定食、はらこ丼などとあった。
 このうち、はらこ丼をいただいたが、丼いっぱいに鮭のはらこがのっていた。醤油漬けにしたもので、昨年のものなのに保存が上手なのか、なかなかうまかった。


写真1 村上城跡。石垣が美しい。


写真2 城下町らしいたたずまいが風情ある村上の街並み。


写真3 名物の鮭料理。これははらこ丼。

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