2015/07/06

仙石線復旧と仙石東北ライン開業

 先週の水曜日、全線で復旧した仙石線と、仙台と石巻を結ぶあたらしい路線として開業した仙石東北ラインに乗ってきた。
 仙石線は、仙台のあおば通駅と石巻駅を結ぶ路線。東日本大震災の被害で高城町駅‐陸前小野駅間で不通となっていた。5月30日全線で運転を再開した。
 一方、仙石東北ラインとは、仙台駅から東北本線を経由して石巻駅との間を結ぶ新しい路線。東北本線の塩釜駅と仙石線の高城町駅の間に新たに接続線を設けて実現した。仙台駅から塩釜駅までが東北本線、塩釜駅と高城町駅間が接続線、高城町駅‐石巻駅間が仙石線となる。仙石線復旧と同時に5月30日開業した。
 これによって、仙台‐石巻間は二つの路線で結ばれたこととなり、仙石線沿線の復興に弾みがつくものと期待されている。なお、高城町駅‐石巻駅間はまったくの供用だが、仙石線と仙石東北ラインとは使用する車両も、ダイヤも個別で運用されている。
 7月1日仙台駅。4番線。東北線のホームである。併せて仙石東北ラインの表示もしっかり出されている。
 列車が入線してきた。石巻からの折り返し運転である。真新しい車両で、ハイブリッドカーである。
 東北本線が交流、連絡線が非電化、仙石線が直流と、異なる三つの区間を結ぶために投入された専用車両で、ディーゼルエンジンで発電機を回し、その電力と蓄電池の電力を組み合わせてモーターを駆動するディーゼルハイブリッドと呼ばれるシステム。HB‐E210系で、分類上はあくまでも気動車である。
 9時24分定刻の発車。1日1本だけ設定されている特別快速列車である。なお、ちなみに仙石東北ラインはすべて快速列車の設定で、ほぼ1時間に1本というダイヤ編成。また、全列車が仙台駅‐石巻駅間全線の運転。
 なお、手樽‐東名間4駅と鹿妻、東矢本各駅には全列車停車しない。ただし、仙石線列車は停車するようになっており、これで見ると、仙石東北ラインが快速、仙石線は各駅停車という設定のようだ。
 列車は平日の下りだというのに満席。人気があるのだろう。それもそのはずで、高城町以遠に行くなら断然便利だ。例えば、仙台駅を8時18分に出た仙石東北ライン列車は石巻駅着が9時23分。これに対し、仙石線では仙台駅8時19分発(始発はあおば通8時17分)が石巻駅着が9時43分となっており、約20分の短縮となっている。
 最前列に陣取って見ていたが、しばらく東北本線を走り、塩釜駅を過ぎて少しして右から仙石線が並行してきた。連絡線を渡ってそのまましばらく進んだ。高城町駅入線の直前で停止したら、仙石線のあおば通行きの列車が右に脇を抜けていった。
なお、仙石線に乗っていると、本塩釜を過ぎたあたりから丘の上に電車が見え隠れしていたが、あれが東北本線だったわけで、まさしく指呼の間。また、このたび連絡線となった区間は、これまでも渡り線がすでにあったそうで、これは保守用として設定されていたようだ。
 高城町駅を出て仙石線の線区となったが、高城町駅と陸前小野駅間がこれまで不通となっていたところ。
 2年前の2013年6月7日、震災後初めてこの区間を代行バスで通ったが、とくに海沿いの区間である陸前大塚、東名、野蒜の3駅で被害が大きかった。中でも、野蒜駅では線路や駅舎が流出し、かろうじてホームだけが駅の痕跡を残していた。
 今回の復旧に当たっては、これら陸前大塚、東名、野蒜の3駅を高台に移転する新しいルートを構築して再開にこぎ着けた。
 このたびこの野蒜駅で途中下車してみたが、真新しい駅舎が復旧を象徴しているようだったし、駅周辺では山を切り崩し新しい街づくりが緒についたようだった。新駅はかなりの高台にあって、海岸まで1キロほどか、眼下に旧駅とおぼしきあたりが望めた。
 なお、詳しく記録しておくと、仙台から乗った特別快速列車は野蒜には停車しない。このためいったん矢本まで乗り過ごし、矢本から野蒜に戻ったのだった。そして、野蒜から石巻までは仙石線電車に乗って向かったが、仙石線車両も新しいものだった。
 そうこうして石巻駅11時58分着。雨が強いがタクシーで市内を巡ってみた。
 初めに日和山へ。石巻の中心に位置する小高い山で眼下に石巻の市街や港が望める。ちょうど2年前にこの山に立ったときには、海岸側にはがれき処理が終わっただけの、一面茫漠たる荒野が広がっていたものだった。
 今般、同じ場所に立ってみると、家がぽつぽつと建ち始めてはいたが、土地の嵩上げ工事が行われている最中のようで、本格的な街の再開発はまだ先のように見えた。
 次ぎに石巻魚市場を訪れた。石巻地区復興の象徴のような施設で、5月に仮オープンしたばかり。本格オープンは8月ということである。
 とにかく大きい。市場の建屋の長さが880メートルにも達する。水揚げを行うゲートが23番まで連なっていた。使用した鉄骨が5000トンという巨大な鋼構造物でもある。投下した資金が180億円とも。旧施設が640メートルだったというからさらに伸びて、タクシーの運転手の話によると、東洋一だろうという。水揚げのための岸壁の長さは1200メートルにも及ぶのだそうで、これももちろん東洋一。この日は雨が強く出漁できず、20隻もの漁船が係留されていた。
 これもタクシー運転手の話だが、ここはサンマの水揚げ量日本一なそうだが、ここのところ魚の水揚げ金額は全般に低調だということである。


写真1 高城町駅入線直前で右に通過していく仙山線電車を待つ仙石東北ライン列車。


写真2 高台移転し高架化した路線。野蒜駅跨線橋から。


写真3 東洋一の規模を誇る再建された石巻魚市場。

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