2015/06/30

歌で知る季節の花

 花の名前が出てくる歌は数多いし、歌は季節の移ろいを的確に表しているからつい口ずさむ。口に出して歌って花の名前を思い出すなどということもある。
 初冬の早朝、サザンカの花を見ると冬が来たことを実感し、つい、さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき などと口ずさむ。
 早春も歌は多くて、こぶし咲くあの丘北国のああ北国の春、などと歌い出すと、春が来て真っ先に白い花を咲かせたのはコブシだと知れる。
 6月の今頃なら、クチナシの白い花お前のような、と出てくるし、甘ったるい蠱惑的な香りをした女とはどういう者かと連想が広がる。
 時々口ずさんではいるものの、どのような花だったか、ついぞ思い出せないような歌もあった。卯の花の匂う垣根に とある卯の花とは一体どういう花だったか。 題名は、夏は来ぬ、だから5月から6月頃か、匂いがあって垣根にするような花。
 これはずうっと気になっていて、調べてやっとわかった。卯の花とはウツギのことを指すらしい。確かに、ウツギは今この季節に咲いている。小さい白い花をたくさんつけている。刈り込みにも強いし、枝が密集しているから垣根には好適なのであろう。ただ、ウツギは種類が多くて、具体的にどういうウツギの花を卯の花というものなのか、しっかりとは肯けない。また、ウツギは種類にもよるが、確かに匂うものの、いい香りとは必ずしも言えないのではないか。
 いずれにしても、花を見てはその歌を口ずさみ、花の名前がとっさには出てこないような場合でも歌を歌えば思い出すというようなこともあって、季節の折々と花は歌と歩んでいるようだ。作詞家はよくよく季節のうつろいを知っているということなのだろう。
 手元に、童謡や唱歌、歌謡曲などが載っている歌集があって、時々開いては、「花の名前を知るために」歌を歌っている。


写真1 花を知るために口ずさむ歌集

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