2015/06/11

鉄道車両事業

 昨日開催された日溶協(日本溶接協会)の総会関連行事として特別講演が行われ、日立製作所笠戸事業所長の川畑淳一氏が「日本の技術を世界へ~鉄道車両事業のグローバル戦略~」と題し講演した。
 近年、日本の鉄道車両事業は好調で高い国際競争力が注目されているが、講演で川畑さんは日立の強みは、車両ではアルミ合金製に特化したことだと強調していた。また、車両製造に限らず信号機や制御システムなどトータルの展開ができていることも日立の特徴で、これは日本では日立が唯一だとも述べていた。
 アルミ合金製車体については、1992年の300系のぞみがエポックだったとし、大幅な軽量化を行ったことによって高速化も可能となったとしていた。
 編成重量では鋼製の0系が980トンだったのに対し、アルミ合金製のN700系では715トンと3割近い軽減となっているし、最高速度も0系の時速220キロからN700系では300キロに向上している。
 一方、日立は英国で高い競争力を誇ってるが、それは故障の発生頻度が欧州製に比べ5分の1も低いといった品質への信頼性も強みとなっているとも話していた。
 また、グレートウエスタン鉄道へは57編成369両の納入が決まっていることも明らかにしていたが、このグレートウエスタン鉄道には、ロンドンのパディントン駅とブリストルのテンプルミール駅の間を昨年乗ったことがあって、その際は車両は確かシーメンス製だったことを思い出していて、あれが日立製に置き換わるのかと思うと感慨深いものがあった。
 終わりでは、今後の成長戦略の柱として単なる車両製造から、システムやサービスまで含めたトータルソリューションプロバイダーを目指すとしていたのが注目された。
 なお、この日の講演では鉄道車両の事業戦略が中心で、溶接協会の会員を前にしたにしては、溶接技術を含めた車両製造技術について言及がなかったことは残念だった。


写真1 特別講演の模様

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