2015/05/27

ジェニファー・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない』

 タイトルにひかれて購入した。ただ、読み始めると「服装はとてもコンサバで、ジーンズなんて絶対に着ない。ブルネットの髪は典型的なパリジェンヌのボブ」などとあって、意味がほとんどつかめない。
 それで、数ページを読んだだけで放り投げていたら、遊びに来ていた娘が借りていった。返してくれなくてもいいと思っていたのだが、数日して返してくれて「面白かったよ」と。
 然らばと、再び手に取った。コンサバもボブも何のことかわからないままに。
 物語は、南カリフォルニアの大学生が交換留学生としてパリに行き、フランス人の家庭にホームステイして経験したカルチャーショックについて描かれている。
 若い女性の手記だから軽く読めるのだが、内容はフランス女性のシックな生き様が生き生きと描かれていて刺激的。
 ホスト・ファミリーであるマダム・シックの語録とカリフォルニアガールの体験抄録から幾つか拾ってみよう。
 だらだらと間食するのはシックじゃない。
 食に対して、ポジティブな姿勢で向き合おう。何よりも食事を楽しむこと。
 ある場面では、「平日の水曜の夜なのに、家族揃っておしゃれをして、いちばん上等な食器で、マダムが腕によりをかけた素晴らしいごちそう(5皿のフルコース!)を楽しんでいる人たち」とある。
 また、ある場面では、「部屋には小さなクロゼットしかなく、これくらいの小さいな収納で十分だったのだ。というのも、各自10着くらいのワードロープしか持っていなかったから。ムッシュ・シックも、マダム・シックも、息子さんも、持っている服はどれも上等なものばかりだったけれど、彼らは同じ服をしょっちゅう繰り返し着ていた」とある。
 この体験を経て主人公は次のようにまとめる。
 要らない服を捨てよう。思い切って大胆に!
 本当に気に入っている服だけを着よう。自分によく似合って、自分らしいと思える服を着よう。
 こんな調子だから、若い女性のみならず、生活を美しくしたいと願っている向きには大変参考になるのではないか。
(大和書房刊)


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