2015/05/11

フローニアス社

 このたびの国際自動車カンファレンスが開催されていたのがオーストリア・ヴェルス市に拠点を持つフローニアス・インターナショナル。主催も同社。会場は同社サットレト工場のカンファレンスルームだった。
 カンファレンスの冒頭、同社のエリザベス・シュトラウスCEOが挨拶の中で述べていたが、同社は1945年この地で創業。以後、1979年インバータ溶接機、1998年フルデジタル溶接機を開発した。フルデジの開発は世界初だった。2001年レーザハイブリッド、2005年CMT、2006年デルタスポットとそれぞれ世界に先駆けて開発。
 この間、一貫して世界の溶接技術開発で先進的役割を担ってきており、同時にその急成長ぶりは世界で瞠目されてきた。
 前回このカンファレンスが開催された2012年の折には、同社の従業員数はこの10年間で700人から3000人へと4倍強もの驚異的な成長ぶりと説明されていたのだったが、今回訪れたらわずか3年で500人も増え3500人となっていて、その成長ぶりには依然として衰えはないようだった。
 しかも同社の特徴であり魅力は徹底した開発指向。フルデジからレーザハイブリッド、CMTなどと次々とヒットを続けてきているが、その原動力が同社の開発部門であるR&Dセンター。リーダーの取締役ハインツ・ハックル氏が率いるスタッフは、3年前時点で400人を抱えていた。全従業員の13%強というから驚く。
 もう一つの同社の特徴は徹底した高い品質管理。このために海外生産はごく一部。輸出比率が90%を超す企業としてこれは着目される。
 その大半がサットレトの工場で生産されており、しかも、部品の内製化率が70%というからこれも珍しい。日本の大企業では今や外注が100%近くを占める企業もあるというのに。
 そう言えば、今回は同社のトーチ工場を見学する機会があったが、この工場のマネージャーによれば、部品の外注はほとんどないし、「溶接機とトーチを同じ会社で作るのは当然だ」としていた。この姿勢も同社の品質管理にかける傾注ぶりを示すものであろう。
 ホスピタリティも徹底していて、開会からプログラムの終了までそれは緩むことがなかった。
 それにしても、溶接に関する一私企業が、世界の著名な自動車メーカーを集めて国際的なカンファレンスを主催するなど、およそ想像するだけでも難しそうなことをこの企業はやっているわけで、まずはそのことに感心をした。
 結局、同社の開発した技術が、今や、自動車メーカーにとって欠くことのできないものであることを示す証左ということでもあるのだろう。

 


写真1 カンファレンスの冒頭挨拶するフローニアス・インターナショナルのエリザベス・シュトラウスCEO(右)。


写真2 カンファレンスの会場となったフローニアス・インターナショナルのサットレト工場。


写真3 部品1本もおろそかにしないフローニアス社トーチ工場の作業の様子。

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