2015/04/08

アーク灯

 アーク灯とは、アーク放電を光源とする照明のことで街灯に利用された。
 アーク放電の利用ということではアーク溶接もその一つで、溶接の場合はアーク放電で発生する熱を利用する。どちらも2個の電極を利用するということでは同じ原理である。
 日本で初めての街灯は1872年横浜で灯されたガス灯だったが、それから10年遅れて銀座に日本初のアーク灯が点灯された。アーク灯はガス灯に比べ断然明るくて人々が見物に来たらしい。
 そのアーク灯が1灯だけ銀座に残っているというので出かけてきた。銀座二丁目カルティエ前というのでそれを目標にしたのだが、どう探し回っても見つからなかった。
 それもそのはずで、カルティエは改築のためビルは解体されていて工事中だった。同時に、ビルの前に立っていたであろうアーク灯も撤去されていた。
 なお、このカルティエのあった通りは、「ガス灯通り」との表示があって、銀座通りから1本入った通りだが、高級ブランド店が軒を連ねなかなか風情あるものだった。ガス灯とアーク灯が並んでいたのであろう。
 銀座では目撃できなかったので、日比谷公園でもアーク灯が保存されているというので次にそちらに足を向けた。
 内堀通りと晴海通りが交差する、つまり皇居に最も近い祝田門から公園に入ってすぐのところにアーク灯が残っていた。
 結構背が高くて4メートルほどもあろうか。鋳鉄製でなかなか趣きがある。説明板によると、1903年の開園当時に設置されたもののようで、当時、園内にはアーク灯が10基、ガス灯が70基据え付けられたとある。アーク灯は1200燭光の明るさがあったとも示されていた。
 ところで、アーク放電が100年前には照明に利用され、現在では溶接になくてはならないものだが、実は、アーク放電は音源としても利用されている。アーク溶接機から発生する電極の振動を制御して音楽とするもので、スピーカーを必要としないという特徴がある。数十年前、三菱重工が開発した。国際ウエルディングショーで実演して見せていたが、この頃は見かけなくなった。普及しなかったらしい。


写真1 日比谷公園に残されているアーク灯。

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