2015/03/27

藤田令伊『アート鑑賞、超入門!』

 表題の通り、絵画鑑賞の手ほどき書。
 著者自身が書いているように、アートは各人が見たいように見て、自分が感じたことを大事にすることでいいのだろうが、本書では、時々は美術館に足を運んで絵画を鑑賞しているほどの人ならば、アートの見方を訓練した方がよいと述べている。
 そして、本書は、アート鑑賞トレーニングのための実践テキストになっているのである。大変ユニークなアート入門ということになるが、著者によれば、これまで日本では、アートの入門書はいくつもあったものの、アート鑑賞のための手引き書はなかったとのこと。
 それでは、本書に沿って、トレーニングを順を追って進めてみよう。
 まずは、よく見ること。これがなかなかできていない。著者によれば、日本人はことにそうで、1点に数十秒もかけていないのではないかと指摘している。で、よく見るためには、見た内容を自分なりに言葉にしておく訓練をすることだと述べている。そして、時間をかけてみること、数多く見ることだと続けている。
 次に、主体的に見るということ。これも日本人が苦手なこと。これを訓練するには「エア買いつけ」をしてみること。つまり、自分が買うつもりになってみるということ。あるいは金を払ってまでも欲しいかと自問してみるのもいいかもしれない。
 そして展覧会場での見る方法。まずは会場全体を軽く見て回ること、一通り見たらもう一度入口へ戻って今度はじっくり見ること、こうするのがいいらしい。
 以下、感性で見る、知性で見る、知って見る、知らないで見る、肯定的に見る、批判的に見る、などと続いている。
 しかし、この程度のことは日頃から誰しもやっていることではあるのだろうが、再度チェックしてみるのもいいかもしれない。
(集英社新書)
 


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