2015/03/24

JTB時刻表

 『JTB時刻表』が3月20日発売の4月号で創刊90周年を迎えた。1925年(大正14年)の創刊である。創刊当時は鉄道省運輸局編纂日本旅行文化協会発行で「汽車時間表」という名前だった。現在はJTBパブリッシングの発行。通巻では1071号にも達する。
 前付けのカラーページにはこれまでの主だった号の表紙が載っていて移り変わりがざっと概観できるようになっている。
 国鉄監修・交通公社発行の時代が長かったが、それも1987年(昭和62年)が最後となっている。いわゆるこのときが国鉄の分割民営化だった。私も鉄道ファンの端くれとしてターニングポイントごとの時刻表は保存している。また、旅行好きとりわけ鉄道好きだから時刻表は座右に置いておよそ離れるということがない。大変お世話になっている。
 鉄道のみならずバスや船から航空に至るまで日本の交通機関の時刻が掲載されていて、交通機関を利用する際には必須のもの。
 外国の時刻表事情にとくに詳しいわけではないが、海外旅行の折などその国の時刻表を探し求めても、日本の時刻表のようにあらゆる交通機関が網羅されているといったものをおよそ見つけたことがない。
 しかも、それが数万部も発行されているというのは希有な例のように思える。トマスクックはともかくとしてもヨーロッパの駅では時刻表を欲しいといっても、列車単位や路線単位あるいは駅単位のものはあっても、日本のように総合時刻表というものはないことが多く、逆に「何に使うのか」と怪訝な顔をされる。
 わが国における鉄道時刻表の出版はまずまず充実していて、全国版の総合時刻表としてはこのJTB発行のもののほか、JR時刻表もあってこれが二大勢力。ほかに北海道や九州などと地域版があり、西武や東武などと私鉄版も数種発行されている。また、貨物時刻表などというものまであるから、外国から見たら理解しにくいかもしれない。
 私は時刻表はJTB派の方で、常日頃はこのJTB版を利用している。JR版と内容的に大差あるわけでもないし、要するに慣れの問題だろうが、私にとってはJTB版にこそ親しみがある。鉄道ファンにはJTB版の支持者が多いというから、あるいは使い勝手のほかにも魅力があるのかもしれない。
 このたび比べてみたら、両者の間に幾つか違いがある。まず、路線の配列順序が若干異なる。JTB版では東海道本線や東北本線など一つの路線を起終点が連続するように続けて載せているのに対し、JR版は地域的にまとめているようだ。
 また、分量はJTB版の方が60数ページ多く、編集もきめ細かいようだ。定価は同じで1183円。
 時刻表は数字の羅列ばかりでおよそ読書の対象になるようなものではないが、時刻表を隅々まで読むことを趣味にしている人たちもいて鉄道趣味世界では「時刻表派」と呼ばれている。
 私は時刻表派を標榜するほどのものではないが、それでも時刻表を見るのは好きで、そうこうして旅に出たくなるというパターンが多いように思われる。


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