2015/03/13

セミナー「金属積層造形3Dプリンター適用とその可能性」

 金属積層造形3Dプリンター適用とその可能性と題するセミナーが昨日12日東京で開かれた。産報出版の主催。
 会場は満員の盛況ぶりで、3Dプリンターに対する根強い関心がうかがわれた。主催者によると、参加申し込みが定員を上回り、最後には断った場面もあったとか。
 この日のセミナーは、その特徴からものづくりまで、とする副題がついていたが、全体が2部構成となっていて、第1部が話題の3Dプリンターによるものづくり、第2部は3Dプリンターの特徴となっていて、3Dプリンターの現状が概観できたほか、アプリケーションも例示されていてとてもわかりやすく、興味深い内容となっていた。
 「3Dプリンター技術は溶接か、鋳造か、機械加工か」と題し基調講演を行った産総研清水透上級主任研究員は、歴史的には1980年代に日本が先行して基礎的研究を行っていたが、その後の展開が見られなかったところから、今日では技術開発でアメリカに大差をつけられているとし、これには日本ではイノベーション力の問題ではなく、インキュベーション力に問題があったと指摘していた。
 また、積層造形とは、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)という用語に国際的は統一されつつあり、そのプロセスは大まかに、CADファイル→スライス→積層プロセス→最終製品という流れになっていて、積層プロセスには種々あり、このうち直接溶融プロセスとしては、粉末床溶融結合法と指向エネルギー積層法(DED)が紹介されていた。
 さらに、3Dプリンター技術は溶接か?との項目で、DED法による積層造形は現象はほとんど溶接に近いとしていたのが印象的だった。
 このほか、この日のセミナーでは、アーク溶接技術を用いた金属積層造形(東京農工大笠原弘之氏)、DED法によるAMの紹介(産総研小木曽久人氏)ついてそれぞれ講演が行われたほか、世界的に3Dプリンター業界をリードする装置会社キャノン及び愛知産業から装置の概要とアプリケーションが紹介された。
 セミナーを聴講して感じたことは、ここでもタイミングを逸した日本という国の研究開発政策の貧困さが痛感されたし、それでも、今後の技術開発が楽しみな技術であること、航空機など高級材料を使用する分野では極めて有効な技術であること、それにも増して、溶接の発展系としてとらえれば溶接業界がその牽引役を担いたいものだと熱望したのだった。


写真1 満員盛況のセミナーの模様

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