2015/03/02

観梅

 「そろそろでしょうか」と家内が誘うので梅の花を見に湯島天神に出掛けてきた。本郷に住む娘に確認するとやはり「ちょうど満開ですよ」というし。もっとも、家内にすれば観梅よりも孫の顔を見たかったのかもしれないが。
 湯島天神は、本郷通りとの交差点から春日通りを湯島に向けて下っていくと5分ほど。やはり花はちょうど満開で、この日は土曜日だったせいもあり大勢の人が繰り出していた。
 境内には約20種300本もの梅の木があるらしいが、「湯島の白梅」と呼ばれるだけあってやはり白い花が多い。ちょうど満開も見頃だったようで、むっちりした花が愛らしくも美しかった。枝垂れ梅も数本あり、こちらは幽玄さを漂わせていた。
 この湯島天神は通称で、正式には湯島天満宮と呼ばれるように、ここは菅原道真公を祀っているほどに学業成就を願う受験生の参拝も多く、おびただしいほどの絵馬が納められていた。
 また、境内には、この湯島天神が登場する『婦系図』の作者泉鏡花の碑があった。
 ところで、奈良時代の頃までは花見といえば梅の花だったらしい。実際、万葉集に出てくるのは多くは梅の花。それが、平安時代になると桜が取って代わって、爾来今日に至っているらしい。古今和歌集ではすでに花といえば桜となっていた。
 そういうこともあってか、東京に梅の名所は意外に少ない。江戸時代から賑わっていたというこの湯島天神は代表的なところ。


写真1 観梅に大勢の人が繰り出して賑わっていた湯島天神の境内。


写真2 数多くの梅の中で幽玄さを漂わせていた枝垂れ梅。


写真3 関東では有数の天満宮。おびただしいほどの絵馬が納められていた。

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